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ビール粕を活用した乳用牛への飼料給与技術


[要約]
泌乳ピークを過ぎた乳用牛に対して、ビール粕を原物で10kg混合給与した場合、慣行給与区と比較して乳量・乳質に差はない。また、飼料コストはビール粕給与区が1頭当たり1日63.8円安い。

[キーワード]
ビール粕、飼料コスト

[担当]
大分県畜試 酪農・環境部

 [連絡先]0974-76-1216
 [区分]九州沖縄農業・畜産・草地
 [分類]技術・普及
  

[背景・ねらい]
酪農家は生乳生産コストの低減に向けてたゆまぬ努力を続けているが、生乳市場の広域化に伴う乳価の地域間平準化を見据え、さらなるコスト低減が求められている。ビール粕は、酪農家にとって手近に入手することができる飼料資源であることから、乳用牛への給与試験を行い、ビール粕給与が乳量・乳質に与える影響および飼料コストを明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. ビール粕の飼料成分の特徴は、粗蛋白質が多く粗繊維が少ない(表1)。

  2. ビール粕給与区は、慣行給与区より飼料コストが最大で1頭当たり1日63.8円安価である(表2)。なお、各飼料単価は、当畜産試験場の取引単価を用いている。

  3. 泌乳牛に対しビール粕を乾物混合比10〜16.6%(原物10kg)で給与した場合、慣行給与区と比較して、採食量および養分摂取量に差がない(表3)。

  4. 泌乳牛に対しビール粕を乾物混合比10〜16.6%(原物10kg)で給与した場合、慣行給与区と比較して、乳量および乳質にも差がない(表4)。

[成果の活用面・留意点]
  1. ビール粕を利用した乳牛用混合飼料の飼料設計の参考となる。

  2. ビール粕は粗蛋白質含量が高いことから、蛋白質の過給に注意する。また、暑熱時には2次発酵しやすいので、長期保存を避ける。

[具体的データ]

表1 ビール粕の成分


表2 飼料構成及び飼料コスト


表3 養分摂取量


表4 乳量および乳質

[その他]
研究課題名:地域内の農産加工品を活用した飼料給与技術の確立
予算区分 :助成試験(地域基幹)
研究期間 :1999〜2001年度

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