イタリアンライグラス超極早生新品種「シワスアオバ」の飼料成分特性
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[要約]
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「シワスアオバ」の1番草出穂期の飼料成分は、福岡県飼料成分表の成分値に比べると粗蛋白質含量は高く、繊維含量は低く、推定TDN含量は高い。2番草の飼料成分は福岡県飼料成分表の成分値とほぼ同等である。
- [キーワード]
- シワスアオバ、イタリアンライグラス、飼料成分
- [担当]
- 福岡農総試・畜産研究所・飼料部・家畜栄養研究室、飼料作物研究室
[連絡先]092-925-5229
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(草地飼料作・飼料生産)
分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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イタリアンライグラスは収量性、栄養価ともに優れており、県内の粗飼料生産の基幹草種として広く利用されている。近年、これまでの品種よりも出穂期が極めて早く、年内収穫も可能な超極早生品種「シワスアオバ」が育成された。しかし、その飼料価値は不明な点が多い。そこで、「シワスアオバ」を9月下旬から10月上旬に播種した場合の飼料価値を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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「シワスアオバ」の一般飼料成分は福岡県飼料成分表の出穂期、開花期の成分値と比べると1番草は粗蛋白質含量は高く、粗繊維含量は低い。また、2番草の飼料成分は、ほぼ同等である(表1)。
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1番草の繊維成分含量は、2番草に比べると少なく推移し、特に収穫適期である出穂期における総繊維(OCW)含量は4.6ポイント少なく、低消化性繊維(Ob)含量は8.2ポイント少ない(表2)。
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イタリアンライグラスの刈取適期である出穂期の推定TDN含量は、「シワスアオバ」では1番草67.0%、2番草は64.2%であり、高い飼料品質である(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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イタリアンライグラス「シワスアオバ」の1番草刈取時期の選定や周年作付体系確立の資料として活用できる。
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牛に給与する場合、フォーレージテストで飼料成分を把握する。
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[具体的データ]
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表1 イタリアンライグラスの一般飼料成分の推移(平成11〜12年度)(DM%)

表2 イタリアンライグラスの繊維成分と推定TDNの推移(平成11〜12年度)(DM%)
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[その他]
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研究課題名:平場の転作水田の利活用による自給飼料の周年利用作付体系技術の確立
予算区分 :国庫(新技術)
研究期間 :1999〜2002年度
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