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超早期親子分離子牛は2回哺乳で十分な発育が望め、経済性も有利である

［要約］
黒毛和種の早期親子分離において、1日2回哺乳と3回哺乳を比較すると、DM摂取量および通算DG(210日間)に差は認められず、1日2回哺乳で十分な発育が望める。

［キーワード］
黒毛和種、早期親子分離、哺乳回数

［担当］
長崎畜試・肉用牛科

 ［連絡先］0957-68-1135
 ［区分］九州沖縄農業・畜産(肉用牛)
 ［分類］技術・参考

［背景・ねらい］
近年、黒毛和種繁殖農家において母牛の空胎日数の短縮や子牛損耗を防ぐために、早期に親子分離を行う方法が行われている。しかし、人工哺育における哺乳回数や哺乳量は農家で異なっており早期親子分離技術が確立しているとはいえない。そこで、1日2回哺乳と3回哺乳を比較し、早期親子分離技術における適切な代用乳給与回数および給与量を確立する。

［成果の内容・特徴］
生後3日齢で親子分離した黒毛和種子牛16頭を供試し、1回当たり代用乳300gをお湯1.8Lに溶解し、1日当たり2回給与(2回哺乳)と3回給与(3回哺乳)を表1の給与体系で比較する。

  1. 代用乳からのDM摂取量は3回哺乳が2回哺乳より多いが、濃厚飼料および乾草からのDM摂取量は2回哺乳が多く、TDN摂取量に差は認められない(表2)。

  2. 飼料費は2回哺乳が3回哺乳より安価である(表3)。

  3. 2回哺乳の増体量は3回哺乳と変わらず、体高も正常発育値程度の発育が望める(表4)。

［成果の活用面・留意点］
  1. 生時体重が25s以下の場合は、代用乳の過飲による下痢を予防するために、1回当たりの哺乳量を14日齢頃まで制限(代用乳200g+ぬるま湯1.2L)する。

［具体的データ］

表1　飼料給与方法


表2　総DM・TDN摂取量(4〜210日齢)


表3　飼料費(4〜210日齢)


表4　体重推移及び増体量

［その他］ 
研究課題名：肥育素牛の放牧育成に関する研究
予算区分　：県単
研究期間　：2001年（2000〜2002年度）
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