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熊本県におけるホルスタイン種の初産分娩月齢と泌乳成績および繁殖成績との関係


[要約]
初産分娩月齢と1産目の泌乳成績、分娩間隔、同2産目の泌乳成績との関係において、分娩間隔は初産分娩月齢が23ヶ月齢以下の牛群では419.7日であり、初産分娩月齢27ヶ月齢以上の牛群451.8日と比較して有意に短かった(P<0.01)。1産目の4%FCM乳量および2産目の4%FCM乳量は、初産分娩月齢と有意な関係は認められなかった。

[キーワード]
初産分娩月齢、分娩間隔、1産目乳量、2産目乳量

[担当]
熊本農研セ・畜産研・大家畜部

 [連絡先]096-248-6433
 [区分]九州沖縄農業・畜産・草地
 [分類]技術・参考
  

[背景・ねらい]
早期育成技術に伴う初産分娩月齢の早期化は、酪農経営において大幅なコスト削減が期待される。しかし、早期育成を実施している酪農家等からは、分娩月齢の早期化は1〜2産目の泌乳成績やその後の繁殖成績へ及ぼす影響についての検討は少ない。そこで、初産分娩月齢と泌乳・繁殖成績との関係について検討を行った。

[成果の内容・特徴]
  1. 熊本県で1999年に牛群検定を終了した初産牛の検定成績と、2000年に終了した2産目の検定成績を有する牛群から検定番号の一致する同一個体1579頭を抽出し、分析用データとして用いた。初産分娩月齢により、23ヶ月齢以下のグループ、24〜29ヶ月齢間は1ヶ月齢ごとに、30ヶ月齢以上の合計8グループにそれぞれ分類し分析に用いた。初産分娩月齢、1産目・2産目の泌乳成績および分娩間隔の関係について最小自乗法により分散分析を行った。

  2. 分娩間隔と初産分娩月齢および1産目4%FCM乳量の関係において、初産分娩月齢が23ヶ月齢以下の牛群では分娩間隔の最小自乗平均値が419.7日であり、初産分娩月齢27ヶ月齢以上の牛群451.8日と比較して有意に短かくなった(P<0.01)。分娩間隔の1産目4%FCM乳量に対する偏回帰は有意であった(P<0.01)。

  3. 2産目4%FCM乳量と初産分娩月齢および1産目4%FCM乳量の関係では、初産分娩月齢と2産目4%FCM乳量との間に有意差は認められなかった。2産目4%FCM乳量の1産目4%FCM乳量に対する偏回帰は有意であった(P<0.01)。

  4. 1産目4%FCM乳量と初産分娩月齢の関係では、両項目間に有意な差は認められなかった。

[成果の活用面・留意点]
  1. 泌乳成績として1産目および2産目の305日補正4%FCM乳量を、繁殖成績として1〜2産目の分娩間隔を用いている。

  2. 育成方法等他の要因は考慮されていない。

[具体的データ]

図1 1999年初産分娩牛の分娩月齢分布


表 分散分析表

[その他]
研究課題名:低コスト育成技術の検討
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2003年度

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