施設栽培ビワ「長崎早生」のミツバチ授粉による果実肥大促進効果
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[要約]
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ビワ「長崎早生」の施設栽培において、開花期間にミツバチを放飼すると、早期に開花する花の受精が促され、種子数が増え果実肥大が向上する。また、収穫時期が早まる。なお、ミツバチ放飼は果実糖度に影響しない。
- [キーワード]
- 施設栽培、ビワ、長崎早生、ミツバチ、果実肥大、収穫時期
- [担当]
- 長崎果樹試・常緑果樹科
[連絡先]0957-55-8740
[区分]九州沖縄農業・果樹
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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施設ビワ園で早期に開花する花は、花粉が少ないうえ、昼間の高温で受精が妨げられることから、果実肥大が悪い。果実肥大を促すためには受精率を向上させ、種子数を多くする必要がある。そこで、ミツバチ放飼による授粉促進が果実肥大に及ぼす影響を検討する。
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[成果の内容・特徴]
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1999年、2000年の調査花房の開花盛期は10月中旬である。収穫時期は1999年が2月中〜下旬で、2000年は2月下〜3月上旬である。ミツバチの放飼期間は、1999年が9月中旬〜11月下旬、2000年が9月上旬〜12月上旬の期間である。
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ミツバチ放飼区が対照区に比べて種子数が多く、果実が大きい傾向にある(表1)。
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1999年、2000年の2ヵ年とも、ミツバチ放飼が果実糖度に及ぼす影響はみられない(表1)。
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ミツバチ放飼区は1回目の収穫で、全収量の61.0%を収穫でき、収穫時期が対照区に比べ前進化する傾向にある(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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ミツバチ放飼期間は、ミツバチの活動を妨げないように農薬の散布に注意する。
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[具体的データ]
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表1 ミツバチ放飼が果実の形質に及ぼす影響

表2 ミツバチ放飼が収穫時期に及ぼす影響(2000年)
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[その他]
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研究課題名:施設ビワ園の多収要因の解明による単収1.5トン生産技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :1997〜2001年度
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