日本ナシ「新高」のていあ部の亀裂発生防止技術
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[要約]
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日本ナシ「新高」のていあ部の亀裂は、摘果時に着果番位の高い果実または有てい果を選定すること、小袋を交配後20日目の早期にかけること、カルシウム剤を満開後10日目から10日間隔で5回散布することで軽減させることができる。
- [キーワード]
- 日本ナシ、新高、ていあ部、亀裂、着果番位、袋かけ、カルシウム剤
- [担当]
- 大分農技セ・果樹部
[連絡先]0978-37-1141
[区分]九州沖縄農業・果樹
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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日本ナシ「新高」は、果実の肥大後期にていあ部表面に亀裂を生じ、進行すると果肉部にまで達する裂果症状を呈し、商品性を著しく損ねる場合が多い。そこで、亀裂の発生要因を明らかにし、その防止技術を開発する。
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[成果の内容・特徴]
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摘果時に着果番位が高い果実有てい果の中から良好な果実を選定すると、ていあ部の亀裂発生を軽減させることができる(図1)。これらの果実の品質は、実用上とくに問題はない。
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交配後20日目の早期にパラフィン一重の小袋をかけると、ていあ部の亀裂発生を軽減させることができる(表1)。
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満開後10日目から10日間隔で5回複合カルシウム剤を散布すると、ていあ部の亀裂発生を軽減させることができる(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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カルシウム剤の散布効果は、樹や年次により差があり、とくに多発条件では効果が十分でないので土壌改良、潅水など基本的管理を徹底する。
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[具体的データ]
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図1 「新高」果実の着果番位とていあ部の亀裂発生(2000大分農技セ)

表1 「新高」果実への小袋かけとていあ部の亀裂発生(2000佐賀果試)

表2 「新高」樹へのカルシウム剤散布とていあ部の亀裂発生(2000佐賀果試)
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[その他]
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研究課題名:西南暖地の特性を活かした晩生ナシの超高収益栽培技術の開発
予算区分 :助成試験(地域重要新技術)
研究期間 :1997〜2001年度
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