Navigation>>九州沖縄農業研究センター >> 研究成果情報 >> 平成13年度目次

隔年交互結実栽培の遊休年の堆肥多量施用法


[要約]
隔年交互結実栽培法の遊休年において、完熟牛フン堆肥を多量に施用することで土壌の物理性が改善され、細根の発生量が増加し、その活性も高まる。

[キーワード]
早生温州、隔年交互結実栽培、施肥、堆肥、細根

[担当]
佐賀果樹試・常緑果樹研究室

 [連絡先]0952-73-2275
 [区分]九州沖縄農業・果樹
 [分類]技術・参考
 

[背景・ねらい]
隔年交互結実栽培法の遊休年においては、着果させないため窒素の遅効きの弊害が少なく、土壌管理法として有機物の多量施用が可能と考えられる。そこで、遊休年における完熟牛フン堆肥の多量施用が細根の発生とその活性に及ぼす影響について明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 遊休年に10a当たり堆肥8tを施用することで固相が減少し、気相が増加して改善効果がある。また、堆肥4t区も土壌硬度が低下し、膨軟になる(表1)。

  2. 土壌の無機態窒素量は、堆肥4t区が4月に多く、堆肥0t区が11月に多いが、5月から10月までは同程度である(図1)。

  3. 8月以降の細根発生量は堆肥の施用量に応じて多くなる(表2)。

  4. 細根の活性は堆肥の施用によって高まる(表3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 堆肥はマルチ的効果による細根の発生を考慮して、隔年交互結実栽培法では遊休年の5月までに施用する。

  2. 現実的には4tの施用を2年に一度行うことで効果が期待できる。

  3. 根の生長を阻害するような未分解の有機物は施用しない。

[具体的データ]

表1 土壌の物理性


表2 細根の発生状況(g、%、2001年)


表3 細根の活性(O2消費量、ml/hr)


図1 土壌中無機態窒素の推移

[その他]
研究課題名:早生温州における隔年交互結実栽培技術の確立
予算区分 :委託試験(連携開発研究)
研究期間 :2001〜2004年度

目次へ戻る