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カンキツ「天草」の早期摘果による果実肥大促進


[要約]
無加温ハウスで栽培された「天草」は、6月上旬に葉果比を120程度に早期摘果することで果実肥大が優れる。

[キーワード]
ハウス、天草、果実肥大、葉果比、早期摘果、果実品質

[担当]
佐賀果樹試・常緑果樹研究室

 [連絡先]0952-73-2275
 [区分]九州沖縄農業・果樹
 [分類]技術・参考
 

[背景・ねらい]
ハウス栽培されたカンキツ新品種「天草」等の中晩生カンキツ品種は、商品性の向上を図るために、大玉果の生産が必要である。そのため、「天草」の果実肥大特性を把握し、適正な葉果比や摘果時期について明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 葉果比120区は90区、50区に比べ摘果直後の夏期の日肥大量が大きく、秋期には葉果比50区の日肥大量が小さくなる(図1)。

  2. 6月下旬の果実横径が大きい程、収穫時の果実横径も大きくなる傾向にある(図2)。

  3. 摘果時期の早晩にかかわらず、葉果比の大きい方が果実横径は大きくなる。ただし、6月上旬の早期摘果は、葉果比に関係なく6月下旬の摘果より肥大促進効果は大きい(図3)。

  4. 収穫時の果実品質は、早期摘果区で果実肥大が良好であることからクエン酸は低い傾向となるが、糖度への大きな影響はほとんど見られない(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 「天草」の無加温ハウス栽培に活用できる。

  2. 気象条件等により生理落果が遅くまで続く場合には、落果状況を確認しながら摘果を行う。

  3. 過度の摘果は、果実品質の低下を招く恐れがあるため注意する。

  4. 仕上げ摘果も必要に応じて実施する。

[具体的データ]

図1 時期毎の葉果比別日肥大量(2000年)


図2 6月下旬の果実横径と収穫時における横径との相関(2000年)


図3 摘果時期及び葉果比の違いによる果実横径の推移(2001年)


表1 摘果時期及び葉果比の違いが収穫時の果実品質に及ぼす影響(2001.11.29)

[その他]
研究課題名:新中晩生カンキツの施設利用による高品質安定生産技術の開発
予算区分 :新技術地域実用化
研究期間 :1999〜2003年度

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