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日本ナシ「新高」における土壌改良による土壌硬度の改善と細根量の増加


[要約]
日本ナシ「新高」において土壌硬度の高い園では土壌容量の約3割のピートモスを混ぜ合わせ埋め戻すことによって土壌硬度を改善し効果を維持するとともに細根量の増加を促すことができる。

[キーワード]
日本ナシ、新高、ピートモス、土壌硬度、細根量

[担当]
佐賀果樹試・落葉果樹研究室

 [連絡先]0952-73-2275
 [区分]九州沖縄農業・果樹
 [分類]技術・参考
 

[背景・ねらい]
ナシ「新高」園の実態調査の結果、低収量園に共通の問題点として土壌硬度が高いことや細根量が少ないことが明らかとなった。そこで、土壌硬度を低下させ細根量を増加させるための土壌改良方法について検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 株もとから1.5mの位置で縦横50cm、深さ50cmの穴を掘り、土壌容量の約3割のピートモスを混ぜ合わせ埋め戻す。その結果、改良後の土壌三相分布は改良前と比較して改良処理後2年を経過しても気相の割合が高く保たれる。ピートモスを施用しない場合は改良前とほとんど差がみられない(表1表2)。

  2. 改良後の土壌硬度は改良前と比較して改良処理後2年を経過しても明らかに低いが、ピートモスを施用しない場合はほとんど差が見られない(表3)。

  3. 細根長は土壌改良によっていずれの層でも長くなる。特に深さ10cm以下でその差が顕著である(図1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 施用直後のピートモスは水と馴染みにくいために土壌改良後は十分な灌水を行う。

  2. 排水の悪い園では土壌改良の効果が出にくく、排水対策を行った上で実施する。

  3. 多量のピートモスの施用は土壌と混和しにくく過乾燥となるため、施用量に注意する。

[具体的データ]

表1 土壌改良前の土壌三相分布1999年10月調査


表2 土壌改良後の土壌三相分布2001年11月調査


表3 ピートモス施用が土壌硬度に及ぼす影響


図1 土壌改良による細根長への影響

[その他]
研究課題名:西南暖地の特性を活かした晩生ナシの超高収益栽培技術の開発
予算区分 :助成試験(地域重要新技術)
研究期間 :1997〜2001年度

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