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温州ミカンのシートマルチ栽培による果実中のβ-クリプトキサンチン含量の増加


[要約]
発ガン抑制活性を有する機能性成分として注目されているβ-クリプトキサンチンは、「興津早生」に比べ「肥のあけぼの」で多く含まれ、果肉より果皮の含有量が高く、シートマルチ栽培によってその含量が増加する傾向がみられた。

[キーワード]
温州ミカン、機能性成分、β-クリプトキサンチン、シートマルチ栽培

[担当]
熊本農研セ果樹研・常緑果樹部

 [連絡先]0964-32-1723
 [区分]九州沖縄農業・果樹
 [分類]技術・参考
 

[背景・ねらい]
温州ミカンに多く含まれるβ-クリプトキサンチンは、高い発ガン抑制活性を持つ点で注目されていることから、本県産の主力品種並びにシートマルチ栽培によって生産された果実について、β-クリプトキサンチンの含量を把握し、温州ミカンの消費拡大に資する。

[成果の内容・特徴]
  1. 温州ミカン果実中のβ-クリプトキサンチンは、「興津早生」に比べ「肥のあけぼの」で特に多く含まれる。

  2. シートマルチ栽培を実施した果実は、露地栽培の果実に比べβ-クリプトキサンチン含有量が多く、屈折計示度、果皮色(a値)も高かった。

  3. 今回の試験において果実中では、果肉に比べ果皮で1.7〜3.6倍のβ-クリプトキサンチンが含まれていた。

[成果の活用面・留意点]
  1. シートマルチを行うことで、β-クリプトキサンチン含量が増加する傾向が認められたことから、栽培と消費の両面からシートマルチの優位性を示すデータが得られた。

  2. β-クリプトキサンチンは、温州ミカンに特に多く含まれ、高い発ガン抑制活性を持つ機能性成分であり、今回のデータは消費拡大の資料として活用できる。

  3. 今回収集したデータにより、本県オリジナル品種に含まれるβ-クリプトキサンチン量を具体的に把握することができた。

[具体的データ]

表1 平成11年産果樹のβ-クリプトキサンチン含量


表2 平成12年産果実のβ-クリプトキサンチン含量


図1 栽培方法の違いによる果皮中のβ-クリプトキサンチン含量の変化


図2 栽培方法の違いによる果肉中のβ-クリプトキサンチン含量の変化

[その他]
研究課題名:低樹高・少資材によるニューセラー系温州ミカンの品質保証果実生産技術
予算区分 :助成試験(地域基幹)
研究期間 :2000〜2002年度

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