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南西諸島における無着果樹カンキツ「南香」、「天草」の台木別地上部、地下部の発生周期


[要約]
無着果樹「南香」、「天草」は、ヒリュウ、カラタチ、シイクワシャーの各台木とも新梢は春・夏を中心に年間3回程度発生し、12月上旬に停止する。根は春から発生するが、秋に多く発生し、冬期でも発根は続いている。

[キーワード]
南香、天草、台木、ヒリュウ、カラタチ、シイクワシャー、新梢、根、発根

[担当]
沖縄農試・名護支場・果樹茶業研究室

 [連絡先]0980-52-0052
 [区分]九州沖縄農業・果樹
 [分類]科学・普及
 

[背景・ねらい]
農林水産省果樹試験場で育成されたカンキツ「南香」、「天草」は、果実品質が優れており、11月〜12月出荷用品種として近年栽培面積が増加している。しかし、これら2品種は生理生態特性が解明されていない。そこで、南西諸島における、台木の違いによる地上部、地下部の発生周期を調査し、高品質果実安定生産のための基礎資料とする。

[成果の内容・特徴]
  1. 「南香」、「天草」の新梢はヒリュウ、カラタチ、シイクワシャーの3台木とも3月下旬に発生し始め、その後春・夏を中心に3回程度大きな発生を繰り返し、12月上旬に止まった。また、根は3台木とも3月下旬に伸長し始め、9月頃には最も大きな伸長を示し、その後伸長は低下したが、2月下旬まで伸長は続いた(図1図2)。

  2. 「南香」及び「天草」とも新梢長はシイクワシャー台が最も長く、次いでカラタチ台、ヒリュウ台の順であった(表1)。

  3. 圃場地温は10月以降3月まで根箱地温より0.4〜2.6度の範囲で高く、また、気温よりも0.6〜2.4度の範囲で常に高く推移していることから、圃場の「南香」、「天草」は冬期でも根の発生が続いているものと考えられる(図3)。

[成果の活用面・留意点]
無着果樹「南香」、「天草」の幼木期間における施肥及び樹体管理面に活用する。

[具体的データ]

図1 台木別南香の新梢及び根の発生周期


図2 台木別天草の新梢及び根の発生周期


図3 気温と地温の推移


表1 南香・天草の年間新梢長(1鉢当たり)

[その他]
研究課題名:台木別地上部、地下部発生周期の把握(南香・天草)
予算区分 :助成試験(新技術地域実用化)
研究期間 :1999〜2000年度

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