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促成ナス「筑陽」のマルハナバチによる着果処理と収量・品質


[要約]
ナス「筑陽」の促成栽培で3月から6月にマルハナバチの放飼を行う場合、ホルモン処理と同程度の結果率・肥大速度・収量が得られる。マルハナバチでの着果は、果長が短く果肉がやや硬くなるが、曲がり果の発生が少なくなる。

[キーワード]
促成ナス、マルハナバチ、結果、肥大

[担当]
福岡農総試・野菜花き部・野菜栽培研究室

 [連絡先]092-922-4364
 [区分]九州沖縄農業・野菜・花き
 [分類]技術・普及
  

[背景・ねらい]
ナスの促成栽培では合成オーキシン剤の単花処理により着果を促進し、収量・品質を維持しているが、単花処理に多くの労力を要している。そのため、花数が多く花粉が発芽しやすい3月から6月にマルハナバチの導入が行われているが、マルハナバチを導入した場合の収量や果実品質には不明な点がある。そこで、3月下旬以降の着果処理方法と着果・収量・品質の関係を明らかにすることにより、マルハナバチの利用技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. ナスの促成栽培で3月から6月にマルハナバチの放飼(以下、マルハナバチ処理)を行った場合の結果率および肥大速度は、ホルモン剤の単花処理(以下、ホルモン処理)と同程度である(図1図2)。

  2. マルハナバチ処理では、ホルモン処理と同程度の収量が得られ、曲がり果の発生が少なくなる(表1)。

  3. マルハナバチ処理では、果皮の硬さはホルモン処理と同等であるが、果長が短く、果肉が硬くなる傾向が見られる(表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 促成ナスにおいて省力化のための栽培技術として活用できる。

  2. マルハナバチは3月下旬に導入する場合、45日程度で巣箱を更新する。また、巣箱内が高温にならないように日除けを行うとともに、ハチが農薬の影響を受けないようにする。10a当たり巣箱数は2箱程度とする。

[具体的データ]

図1 着果処理方法とナス果実の結果率(2000年)


図2 着果処理方法とナス果実の肥大速度(2000年)


表1 着果処理方法と促成ナスの収量および不良果数(2000年)


表2 着果処理方法とナス果実の硬さおよび果長(2000年)

[その他]
研究課題名:促成ナスにおけるマルハナバチを利用した省力的高品質安定生産技術の確立
予算区分 :経常
研究期間 :2000年度

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