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葉ネギの品種および栽培時期とルテインおよびβ-カロテン含量


[要約]
湛液式水耕栽培では、葉ネギ葉身中のβ-カロテン含量は、10月に播種し1月に収穫する作型で7〜10mg/100gと多くなるが、ルテイン含量は、栽培時期による変動が小さい。また、「SK5-501」は「雷山」に比べ葉身中のルテイン含量は各栽培時期で多く、β-カロテン含量も7月播種を除く各栽培時期で多い。

[キーワード]
葉ネギ、品種、栽培時期、ルテイン、β-カロテン

[担当]
福岡農総試・野菜花き部・野菜栽培研究室

 [連絡先]092-922-4364
 [区分]九州沖縄農業・野菜・花き
 [分類]技術・普及
  

[背景・ねらい]
消費者の健康志向が高まる中、健康機能性が高い野菜の生産が求められている。葉ネギは、抗ガンや抗酸化作用があるといわれるルテインやβーカロテン等のカロテノイドを多く含む野菜であるが、栽培時期や品種の相異によるルテインやβ-カロテン含量の変化については不明である。そこで、品種や栽培時期がルテインおよびβ-カロテン含量や生育、収量に及ぼす影響について明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 湛液式水耕栽培では、「雷山」、「SK5-501」、「博多九条」、「若香ゴールド」の葉身中の播種時期別β-カロテン含量は、10月に播種し1月に収穫する作型が7〜10mg/100gと最も多く、4月〜7月に播種し6月〜9月に収穫する作型の約2倍から5倍である。葉身中のルテイン含量は、栽培時期による変動が小さい(図1)。

  2. 「SK5-501」は、「雷山」に比べ、葉身中のルテイン含量が各播種期で多く、β-カロテン含量も7月播種を除く全作型で多い。また、全作型とも葉色が濃く、葉身径も小さく品質がよい(図1図2)。

  3. 「博多九条」は、4月、7月播種では葉身中のルテイン含量が「雷山」より多い。また、葉色が濃く、葉身径が小さいため品質はよいが、収量は少ない(図1図2)。

[成果の活用面・留意点]
付加価値の高い葉ネギ生産のための技術資料として活用できる。

[具体的データ]

図1 水耕栽培における葉ネギの品種と播種期が葉身のカロテノイド含量および葉色に及ぼす影響


図2 水耕栽培における葉ネギの品種と播種期が生育、収量に及ぼす影響

[その他]
研究課題名:野菜の作型と機能性成分
予算区分 :県単
研究期間 :1996〜2000年

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