Navigation>>九州沖縄農業研究センター >> 研究成果情報 >> 平成13年度目次

高温期のコマツナ養液栽培(NFT)における品質向上


[要約]
高温期におけるコマツナの養液栽培において、NaClを培養液の0.2%程度添加すると、葉色、葉の厚さ、日持ち性、アミノ酸含量、ビタミンC含量、食味等の品質が向上する。

[キーワード]
コマツナ、養液栽培、NaCl、品質向上

[担当]
佐賀県農業試験研究センター・三瀬分場・山間畑作研究室

 [連絡先]0952-56-2040
 [区分]九州沖縄農業・野菜・花き
 [分類]技術・普及
  

[背景・ねらい]
高温期で特に日射量の少ない梅雨期におけるコマツナの養液栽培では、葉色や日持ち性の低下が、生産および流通上の大きな問題となっている。そこで、NaCl添加による水分ストレスを利用した品質向上技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. NaClの添加濃度が低い場合、生体重や葉面積が増大するが、高濃度になるとやや小さくなる(表1)。

  2. NaCl添加により葉色は濃く、葉は厚くなる(表1)。

  3. 収穫後の日持ち性はNaCl添加の濃度が濃くなるほど向上する(表1)。

  4. NaCl添加により収穫時のアミノ酸含量およびビタミンC含量は増加する(表2)。

  5. NaCl添加により香り、味、甘みが増加し、食味は向上する(表3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 培養液に添加するNaCl濃度を0.1%以下にするとコマツナ葉縁が黄白化する障害が発生することがあるため注意する。

  2. NaClは苗定植時に培養液中に添加する。添加濃度0.2%でECは3.5dS/m程度上昇するので、定植後は標準液でNaCl添加時のECに調整しながら栽培する。

[具体的データ]

表1 収穫時の生育


表2 アミノ酸およびビタミンC含量(mg/100g.f.w.)


表3 食味試験の結果

[その他]
研究課題名:中山間地の養液栽培による高品質野菜生産技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2000〜2002年度

目次へ戻る