ミニトマトのセル成型苗定植栽培での主枝更新による草勢維持技術
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[要約]
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ミニトマト品種「サンチェリーエキストラ」の128穴セル成型苗を直接本圃に定植し、促成栽培を行う場合、11月上中旬頃の8段までに主枝更新を行うことにより、冬季の草勢が維持でき、果実の肥大及び収量が増加する。
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- ミニトマト、促成栽培、セル成型苗、主枝更新
- [担当]
- 長崎総農林試・野菜花き部・野菜科
[連絡先]0957-26-3330
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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ミニトマト(品種:サンチェリーエキストラ)の128穴セル成型苗を直接本圃に定植する促成長期どり栽培では、収穫が11月〜6月と長期にわたるため、冬季に草勢が低下し易く、葉先枯れの発生や果実が小玉傾向になり易い。このため、冬季の草勢を維持する主枝更新技術を確立する。
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[成果の内容・特徴]
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主枝更新により、慣行の無更新栽培に比較して収量が増加し、平均1果重が重くなる。更新は冬季に行うより、11月中旬頃の8段果房までに行うと効果が高い(表1)。
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月別収量は、無更新栽培に比べて、6段更新では1月に、8段更新では2月にやや少なくなるものの、3月以降の収量が増加し総収量は多くなる(図1)。
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果実糖度(ブリックス)は、最も高い冬季で11程度、3〜5月の時期で9〜10程度となり、無更新栽培と同等程度となる(図2)。
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主枝更新は、更新する段数の本葉3枚上の先端及び花房を摘心し、花房下の腋芽を伸長させる。
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[成果の活用面・留意点]
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8月下旬〜9月初旬の直接定植栽培に向く。
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[具体的データ]
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表1 主枝更新が収量、品質に及ぼす影響(1999〜2000年)

図1 更新段数と月別収量(1999〜2000年)

図2 更新段数と糖度推移(1999〜2000年)
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[その他]
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研究課題名:施設野菜の省力化と生産安定
予算区分 :県単
研究期間 :1998〜2000年度
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