長崎県型イチゴ高設栽培における品種「さちのか」の基肥施肥量
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[要約]
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長崎県型イチゴ高設栽培システムで品種「さちのか」を促成栽培する場合の専用基肥施肥量は、「とよのか」標準施肥量の75%相当のa当たりN成分1.3kgを施肥することにより、頂果房及び腋果房の安定した生育及び収量が得られる。
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- イチゴ、さちのか、高設栽培、基肥施肥量
- [担当]
- 長崎総農林試・野菜花き部・野菜科
[連絡先]0957-26-3330
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
- 長崎県型イチゴ高設栽培では、一般に品種「とよのか」が栽培されているが、品種の特性上、冬季の着色や春以降の果実硬度の改善、玉出しや葉かき管理作業の一層の省力化を図ることが課題となっている。このため、これらの改善や省力化が可能な品種「さちのか」について、地温確保や潅水方法等が土耕とは異なる高設栽培への導入に当たり、栽培技術を確立するため、今回、本県独自仕様の高設栽培専用基肥の施肥量を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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栽植本数を700株/aとした場合、専用基肥の施肥量を「とよのか」の標準施肥量の75%相当のa当たりN成分で1.3kgとすることにより、12〜1月の頂果房の果形・収量が安定する(表2)。
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同様に、2月以降の腋果房の収穫開始時期が遅れず、期間収量が多くなる(表1、表2、図1)。
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標準施肥量の75%相当とした場合でも、頂果房の果実糖度(Brix%)は標準施肥の場合と同等程度となる(表1)。
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[成果の活用面・留意点]
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長崎県型イチゴ高設栽培システムを利用した9月中下旬定植で活用できる。
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基肥は、本県高設栽培専用のもの(11-9-8)を用いる。
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マルチ被覆時に追肥としてスーパーロング180日タイプを3kg/a(N-0.42kg)施肥する。
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[具体的データ]
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表1 基肥施肥量が生育に及ぼす影響(2000〜2001年)

表2 基肥施肥量が収量に及ぼす影響(2000〜2001年)

図1 月別収量推移
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[その他]
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研究課題名:施設野菜の新栽培法の確立と生産安定
予算区分 :県単
研究期間 :2000〜2004年度
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