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夏秋ピーマンの1本仕立て誘引による作業性、収量性の向上


[要約]
夏秋ピーマンにおいて、主枝1本仕立てによる整枝方法は、慣行の4本仕立て及びネット誘引に比べ、収穫作業の負担軽減と収穫時間の短縮が図られ、単位面積当たりの収量が増加する。

[キーワード]
夏秋ピーマン、1本仕立て、収穫作業、収穫時間、収量

[担当]
大分農技セ・畑地利用部

 [連絡先]0974-22-0670
 [区分]九州沖縄農業・野菜・花き
 [分類]技術・普及
  

[背景・ねらい]
夏秋ピーマンの収穫期間は5月から11月までと長く、その間の収穫作業と整枝作業は全作業時間の56%を占め、特に盛夏時期のハウス内での作業負担は大きくなっている。そこで、収穫の省力化と作業性の改善、並びに収量増加のための主枝の仕立て方法を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 1本仕立てにおける収穫時の作業姿勢は、4本仕立てやネット誘引に比べ、手伸ばし姿勢が少なく立位姿勢が多いために、収穫作業の負担が軽減される(表1)。

  2. 1本仕立ての収穫時間は、収穫時期や個人により差があるものの、1果当たり平均3.8秒で、慣行の4本仕立ての80%、ネット誘引の59%で、収穫時間の短縮が図られる(表2)。

  3. 1本仕立ては、慣行の4本仕立て及びネット誘引に比べ、大型ハウス及びミニハウスいずれでも単位面積当たりの収量が増加し、所得の向上がみられる(表3)。

  4. 1本仕立ては栽植本数が多いために、単価の高い収穫初期から収量が増加し、栽培期間中を通じて収量が増加する(表4)。AB品率はネット誘引より低く、4本仕立てより高い傾向となる(表4)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 雨よけハウスでの夏秋ピーマンの省力・増収技術として活用できる。

  2. 栽植様式は、畦幅120〜135cm、株間35cm、栽植密度2,116〜2,381株/10aを基本とする。

  3. 主枝の整枝は、大型ハウスでは栽培者の手を伸ばした高さで、ミニハウスでは天井ビニールに達した高さで先端部分を摘心する。

  4. 強風対策が必要な場合には、第1〜2分枝のあたりにネットを水平に張る。

[具体的データ]

表1 仕立て方法の違いが収穫時の作業姿勢に及ぼす影響(%)


表2 仕立て方法の違いと収穫時間(秒/1果当たり)


表3 仕立て方法の違いと総収量及び推計所得(t/10a、万円)


表4 仕立て方法の違いと月別収量及びAB品率(s/10a、2000年)

[その他]
研究課題名:夏秋ピーマンの省力化、生産力の高位平準化のための安定生産技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :1998〜2001年度

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