抽だいをしない夏ニラの品種と植え付け本数
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[要約]
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セルトレイで育苗した「パワフルグリーンベルト」を1株当たり7本植えすると、慣行品種とほぼ同等の収量が得られ、抽だいしないことから夏どり用品種として有望。
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- ニラ、夏どり、抽だい
- [担当]
- 大分農技セ・野菜部
[連絡先]0978-37-1141
[区分]九州沖縄農業・野菜・花き
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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大分県のニラ産地では、冬春型を主体に夏秋型との2作型を併用した栽培が行われている。夏どり用品種として「スーパーグリーンベルト」を用いると抽だい株が多く、品質の低下が問題となっている。また、育苗や定植の省力化技術が求められている。そこで、セル成形苗を用いて夏場の高品質生産に向く品種を選定するとともに生産技術を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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「パワフルグリーンベルト」は9〜11月に播種しても、収穫期間中抽だいしないため、調製作業が容易である(表1)。
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「パワフルグリーンベルト」の植え付け本数を7〜9本とすることにより、分けつ数が30本/株以上となる(表2)。
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「パワフルグリーンベルト」の植え付け本数を増やすことにより、4回収穫の合計収量は460kg/a程度となり、慣行品種「スーパーグリーンベルト」5本植えの90%の収量を得ることができる(図1)。
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[成果の活用面・留意点]
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収量を確保するため、できるだけ長く株養成期間をとる。
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「パワフルグリーンベルト」は休眠が深いため、11月以降の収穫は難しい。
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[具体的データ]
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表1 品種、播種期が抽だいに及ぼす影響(1999年)

表2 植え付け本数と時期別分けつ数(2000年)

図1 品種、植え付け本数と収量(2月4日播種)
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[その他]
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研究課題名:ニラの周年生産に向けた作型設定
予算区分 :県単
研究期間 :1997〜2000年度
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