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夏秋トマトのもみがら耕3段密植連続栽培技術


[要約]
本県で開発した「もみがら耕栽培装置」を用い、夏秋トマトの1作目にはセル成型苗、2作目には挿し木苗を使用し、3段密植連続栽培をすることで、a当たり1,000kgの収量が得られる。

[キーワード]
夏秋トマト、密植連続栽培、もみがら耕栽培装置

[担当]
大分農技セ・高原農業部

 [連絡先]09737-9-2855
 [区分]九州沖縄農業・野菜・花き
 [分類]技術・普及
  

[背景・ねらい]
夏秋トマト栽培では梅雨や夏季の高温などにより樹勢の低下現象が認められるとともに台風等の自然災害を受けやすく、生産が不安定である。そこで、台風等の襲来が少なく被害を受けない時期(8月下旬)までに高品質・多収穫を得る3段密植連続栽培技術体系を「もみがら耕栽培装置」で確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 夏秋トマトの1作目定植(株間15cm、444株/a)をセル成型苗で5月8日に行い、2作目の挿し木苗を1作目の株間に7月12日に定植することにより、1作目と2作目の間の未収穫期間を27日に短縮でき、1・2作の合計収量は概ね1,000kg/aが得られた(表1)。

  2. もみがら培地・杉バーク培地ともに収量は1作目で土耕栽培(株間50cm、222株/a)より多く、商品果率は2作目が高かった(表1表2)。

  3. 2作目の挿し木苗は杉バークに挿し、ビニルトンネル内で寒冷紗遮光すると1週間程度で発根するので寒冷紗を取り、その後2〜3日で定植できる(データ略)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 密植のため採光不足になりやすいので、1作を西側に、2作を東側に誘引するとともに摘葉、摘芽を週1〜2回行う。

  2. 養液濃度・回数は本県のもみがら耕栽培の手引きに準ずるが、生育や果実の肥大状況および天候に応じた管理を行う。

  3. 2作目の定植は、1作目の収穫開始日から7日後を目安として行う。

[具体的データ]

表1 3段密植栽培の1作・2作の収量(2,000年)


表2 3段密植栽培の1作・2作の商品果率(2,000年)%

[その他]
研究課題名:セル苗利用によるもみがら耕トマト低段連続栽培技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2001年度

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