多収で輸送性に優れるニガウリ新品種「佐土原3号」
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[要約]
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収量が多く、果実のこぶ状突起の尖りを抑えて収穫後の損傷を少なくした紡錘形果実の新品種「佐土原3号」を育成した。
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- ニガウリ、育種
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- 宮崎総農試・野菜部・育種科
[連絡先]0985-73-2332
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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紡錘形果実の需要増加に対応し、平成9年に「試交2号」を育成した。この品種は多収で果色が鮮やかなことから一定の評価を受けたが、果皮のこぶ状突起が鋭く尖ることから、収穫後の取り扱いの段階で突起が折れることによる品質低下が問題となった。そこで、こぶ状突起の尖りを抑えるとともに一層の多収性を付与することを目標として一代交雑の紡錘形新品種の育成する。
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[成果の内容・特徴]
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「佐土原3号」はTGL(台湾種由来大果系統)を母本、041-2(沖縄種由来多花系統)を父本とする一代雑種品種である。
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「佐土原3号」は雌花の着生、着果がよく、また上物率も高いことから、総収量、上物収量ともに「試交2号」より多い(表1)。
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果色は濃緑色を示す。果形は「試交2号」が肩の流れる紡錘形であるのに対し、「佐土原3号」は肩が張った紡錘形である。また「佐土原3号」の果皮のこぶ状突起は丸みを帯びており(図1、表2)、輸送性に優れる。
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[成果の活用面・留意点]
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栽培はいずれの作型にも適応するが、10月以降に播種する半促成栽培と早熟栽培で特に高い能力を発揮する。
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[具体的データ]
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表1 総収量と上物収量(a当たり)

図1 「試交2号」(左)と「佐土原3号」(右)の果実

表2 果実の特徴
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[その他]
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研究課題名:宮崎県特産野菜の新品種育成
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2003年度
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