Navigation>>九州沖縄農業研究センター >> 研究成果情報 >> 平成13年度目次

春どりレタスのトンネル換気作業の省力化


[要約]
1月上旬移植のトンネル栽培において移植直後から結球開始時期に当たる移植後40日程度まで両サイドを10cm開放し、その後収穫まで20cm開放で管理することにより、慣行の手による開閉管理を行う場合と同程度の生育・品質が得られ、換気作業の省力化が可能である。

[キーワード]
レタス、トンネル栽培、換気作業

[担当]
宮崎総農試・畑作園芸支場

 [連絡先]0986-22-1743
 [区分]九州沖縄農業・野菜花き
 [分類]技術・普及
  

[背景・ねらい]
レタスの春どりトンネル栽培では人力による換気のための開閉作業に多くの労力を必要としている。そこで、換気法や通気性トンネル資材が生育・品質に及ぼす影響について検討し、トンネル換気作業の省力化を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. トンネル両サイドを移植後40日程度まで10cm開放し、その後20cm開放する場合(以後、両サイド゙10cm→20cm開放)のトンネル内の温度推移は、両サイド10cm開放を行う1月13日〜2月22日では慣行の開閉管理を行うより平均温度で摂氏3.7度低く、20cm開放を行う2月24日〜3月22日では摂氏2度高く推移する(表1)。

  2. 両サイド10cm→20cm開放することで、収穫時には慣行と同程度の結球重、生育のばらつき、結球緊度などが得られる(表3)。

  3. いずれの換気法・資材においても中肋の突出、変形球の発生などの品質への影響はみられず、慣行と同程度の優れた品質が得られる。

  4. 3条植を行う同一畦内の条毎の生育は、慣行では開閉管理を行う東側の生育が中央・西側に比べ小さくなるのに対し、他の試験区では中央が大きく、東・西側が小さくなる傾向にある(表3)。

  5. 両サイド10cm→20cm開放は換気作業を必要とせず、慣行の開閉時間26分/10a・回を省くことができる。
    • 注1)慣行区、両サイド10cm→20cmは塩化ビニルを使用。

    • 注2)慣行区は下記の温度を目安に風下を開閉管理
         移植〜10葉摂氏25度前後→10葉〜結球開始摂氏20度前後→結球開始〜収穫摂氏15度前後

[成果の活用面・留意点]
  1. 1月上旬移植の作型に適用できる。

  2. 移植直後からトンネル被覆と合わせ不織布によるべたがけを行う。

[具体的データ]

図1 トンネルの大きさ


表1 トンネル内の温度状況


表2 移植後43日目の生育


表3 収穫時の生育(移植後71日目)

[その他]
研究課題名:大規模葉菜類(キャベツ・レタス)の省力機械化一貫体系の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2000年〜2001年度

目次へ戻る