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ハクサイの冬まき春どりトンネル栽培におけるハウス無加温育苗


[要約]
ハクサイの冬まき春どり栽培において、品種「鮮黄」を用いることでハウス無加温育苗によるトンネル栽培が可能となり、育苗コストが低下する。

[キーワード]
ハクサイ、鮮黄、冬まき春どり、ハウス無加温育苗、育苗コスト

[担当]
鹿児島農試・大隅支場・園芸研究室

 [連絡先]0994-62-2001
 [区分]九州沖縄農業・野菜花き
 [分類]技術・普及
  

[背景・ねらい]
鹿児島県におけるハクサイの冬まき春どり栽培は、現在、早期抽台による結球不良を避けるためにハウス内で加温育苗が行われている。また、結球葉数を確保するために本葉7〜8枚の大苗生産も必須条件となっていることから育苗コストが高いことが問題となっている。そこで、育苗コストの低減を図るためにハウス内無加温育苗技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 1〜2月の無加温(ハウス一重被覆トンネル無し)育苗においては、最低気温が摂氏10度以下で推移するにもかかわらず、品種「鮮黄」は花芽分化が遅く、収穫時の花茎長が商品性を損なわない長さの範囲内で、結球重2〜4kgの良品が得られる(表1表2)。

  2. 1月中旬播種で定植後65日前後の4月上中旬に収穫適期となる(表1)。

  3. 定植時の葉数は3〜5枚程度でよく、これまで必須とされた大苗を生産する必要がないことから、容量の少ない72穴または128穴セルトレイの利用が可能で、育苗資材、培養土の削減等、育苗コストの低減が図られる(表1表2表3)。

  4. 無加温育苗のため電熱加温トンネル施設が不要である。また、10a当たりに必要なトレイの数が少なくてすむためトンネル開閉、かん水等の育苗管理の省力化が図られる(表3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 加温施設の無い育苗ハウスに導入できる。

  2. 育苗日数30日程度で定植し、その後20〜30日間トンネルを密閉する。

  3. 密閉期間終了後は日中トンネル内最高気温摂氏20〜30度を目安に換気を行い、収穫前にトンネルを除去する。

[具体的データ]

表1 加温、無加温の違いが結球重、花茎長及び定植時葉数に及ぼす影響


表2 トレイの種類と加温の有無が定植時葉数、結球重及び花茎長に及ぼす影響(2001年)


表3 無加温育苗による育苗資材、労働時間等の削減効果

[その他]
研究課題名:大規模経営下におけるセル成型苗のワンショット施肥による高品質・省力化技術確立試験
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2001年度

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