サトイモ「石川早生」種芋の分割利用
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[要約]
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サトイモ「石川早生」栽培において、種芋として、30g/個以上のイモを2分割したもの(1片重15g以上の分割片)の利用が可能であり、種苗費を1/2に軽減できる。
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- サトイモ、種芋、分割利用
- [担当]
- 沖縄県農試・八重山支場・園芸研究室
[連絡先]09808-2-4067
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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沖縄県におけるサトイモ栽培は、本土端境期出荷体系が主流で市場での評価も高いが、種芋が9万円/10aと高価で、特に八重山地域では更新期間が3年程度と短いため、種苗費の負担が大きい。そこで種芋の分割利用の可能性について検討し、種苗費の軽減を図る。
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[成果の内容・特徴]
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種芋を4分割(1片重11〜15g)して利用すると、無萌芽、多萌芽などの萌芽異常が多発するが、2分割(1片重15g以上)して利用すると、慣行並の正常萌芽率(84〜95%)が得られる(図1)。
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種芋を4分割(1片重11〜15g)して利用すると、規格品収量が210kg/10a程度と大幅に低下するが、2分割(1片重15g以上)して利用すると、800〜950kg/10a程度と十分な収量が得られる(図2)。
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[成果の活用面・留意点]
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イモは頂芽を中心に縦方向に分割し、ベンレート100倍液等で殺菌後、バーミキュライト床で催芽する。催芽中は床土が常に軽く湿っている程度に灌水し、水はけに留意する。
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多萌芽のものは1本を残して芽かきし、本葉が出る直前から1枚出た頃(催芽から20〜25日後)に定植する。
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[具体的データ]
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図1 種芋の分割程度と萌芽率

図2 種芋の分割程度と収量
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[その他]
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研究課題名:革新的農業技術開発事業(サトイモ)
予算区分 :県単
研究期間 :2000〜2001年度
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