Navigation>>九州沖縄農業研究センター >> 研究成果情報 >> 平成13年度目次

トルコギキョウ催芽種子の低温処理による10〜11月出し栽培と適応品種


[要約]
トルコギキョウの催芽種子を6月初旬から摂氏10度で5週間低温処理を行い、その後、寒冷しゃを被覆した施設内で4週間育苗して8月上旬に定植すると、10月から11月にかけて採花できる。この栽培の適応性は、品種により異なる。

[キーワード]
トルコギキョウ、催芽種子、低温処理

[担当]
福岡農総試・野菜花き部・花き花木研究室

 [連絡先]092-922-4364
 [区分]九州沖縄農業・野菜・花き
 [分類]技術・普及
  

[背景・ねらい]
トルコギキョウの秋出し栽培は、播種直後から涼温で育苗するか、または高温期に播種してロゼット化した苗を低温処理し、7月下旬から8月に定植する技術が普及しているが、種子を十分に吸水させて摂氏10度で5週間低温処理すると、高温期でも抽台し、開花株率が向上することを明らかにした(平成10年度成果)。本技術は育苗コストの削減に有効であるが、実用化のためには育苗方法や適応できる品種について明らかにする必要がある。そこで、低温処理終了後の育苗方法や、品種特性について検討し、10〜11月出し栽培技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 低温処理終了後、定植までの育苗は寒冷しゃ下で4週間行うと、定植後の活着株率や抽台株率が高くなる(図1)。

  2. 10〜11月出し栽培は、6月初旬にセル成型トレイ(200穴)に播種し、摂氏10度で5週間低温処理を行い、その後、50%遮光した施設内で4週間育苗し、8月上旬に定植すると、10月から11月にかけて採花できる(図2)。

  3. 催芽種子の低温処理による10〜11月出し栽培に適応する品種は、「あすかの萌黄」や「アロハバイカラーピンク」、「エクセルローズピンク」など48品種である(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 播種前に用土を十分に湿らせ、種子が吸水できるようにしておく。

  2. 定植後は、苗が活着するまで十分にかん水し、土壌を乾燥させないようにする。

[具体的データ]

図1 低温処理終了後の育苗期間と定植後の活着株率および抽台株率(平成10年)


図2 催芽種子の低温処理による秋出し栽培の作型(平成11年)


表1 催芽種子の低温処理による秋出し栽培に利用できる品種(平成10〜12年)

[その他]
研究課題名:トルコギキョウ催芽種子の低温処理による秋冬出し栽培
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2001年度

目次へ戻る