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ファレノプシスの炭酸ガス施用による開花促進


[要約]
ファレノプシスの炭酸ガス施用は、花成誘導のための冷房室入室日から、濃度1,000ppmで2ヵ月間、夕方5時から夜11時までの6時間施用すると花茎発生株率が向上し、開花期が早くなる。

[キーワード]
ファレノプシス、炭酸ガス、花成誘導、花茎発生株率、開花期

[担当]
福岡農総試・野菜花き部・花き花木研究室

 [連絡先]092-922-4364
 [区分]九州沖縄農業・野菜・花き
 [分類]技術・普及
  

[背景・ねらい]
ファレノプシスの鉢物生産では、生産効率や品質の向上が重要な課題となっている。そのため、炭酸ガス施用が普及しつつあるが、ファレノプシスは、CAM植物であり、他品目とは異なる光合成特性を有することから、最適な施用方法の検討が必要である。そこで、ファレノプシスの鉢物生産における炭酸ガスの施用時期や施用時間および期間などを検討し、効果的な施用方法を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. ファレノプシスは、花成誘導期から開花期にかけて炭酸ガスを施用すると、花茎発生株率が向上し、開花が早く、小花数が多くなり品質が向上する。また、高温による花成抑制期での施用は、地上部の生育促進効果はないが、根重が重くなる(表1図1図2)。

  2. 花成誘導期以降の炭酸ガス施用は、その効果と経済性を考慮して、冷房室(昼温摂氏25度/夜温摂氏20度)入室日から、濃度1,000ppmで2ヵ月間、夕方5時から夜11時までの6時間施用するのが、もっとも実用的である(表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 開花株率が高くなることから、生産性向上技術として活用できる。

  2. 処理に使用する株は、冷房室入室時までに葉長15cm程度の本葉が4枚以上で充実したものを用いる。

[具体的データ]

表1 炭酸ガス施用と開花時の形質(平成11年)


表2 花成誘導期以降の炭酸ガス施用期間および時間と開花時の形質(平成12年)


図1 花成抑制期の炭酸ガス施用の有無と葉身長×葉幅値の推移(平成11年)


図2 花成抑制期の炭酸ガス施用の有無と株重(平成11年)

[その他]
研究課題名:ファレノプシスの炭酸ガス施用技術
予算区分 :県単
研究期間 :1998〜2000年度

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