秋ギクの直挿し栽培における細霧噴霧による発根促進と点滴かん水方法
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[要約]
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秋ギク施設栽培では、直挿し後、約2週間細霧噴霧を行うと発根が促進される。発根後は、点滴チューブを用い、少量多回数かん水を行うことにより畝内土壌の湿潤域が一定に保たれ、秀品率が向上する。
- [キーワード]
- 秋ギク、直挿し、細霧噴霧、点滴チューブ
- [担当]
- 福岡農総試・野菜花き部・施設機械研究室
[連絡先]092-922-4364
[区分]九州沖縄農業・野菜・花き、農業機械・土木
分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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秋ギクの直挿し栽培は、高温期に直接、施設内に挿し芽を行うため、発根の遅れやしおれが問題となっている。また、発根後のかん水作業の省力化と生育の斉一化による秀品率の向上を図るため、かん水ムラの少ない自動的なかん水方法の開発が求められている。そこで、細霧噴霧による発根促進効果と、その後の点滴チューブ利用による自動かん水方法が生育や切り花形質に及ぼす影響について明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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秋ギクの直挿し栽培では、施設内気温が摂氏30度以上の時に、タイマーで5分間隔で2分間噴霧する細霧噴霧を15日間行うと、散水チューブの吐出孔を上向きにした自動散水や手散水に比べ、発根数が多く、最大根長も長くなり、生育も優れる(表1)。
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発根後は、点滴チューブによる1日5回のかん水管理を行うことにより、1日1回かん水や散水に比べて畝内土壌の湿潤域の変動が少なく、生育がそろい、切り花長が長く、切り花重も重くなり、秀品率が高くなる(図1、表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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点滴チューブを利用する場合は、チューブの目詰まりを防止するためのストレーナーを設置する。
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[具体的データ]
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表1 直挿し後の散水方法と発根の程度(1999年)

図1 畝内土壌水分の動態(2000年)

表2 かん水方法と生育、開花日及び切り花形質(2000年)
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[その他]
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研究課題名:点滴かん水チューブ等利用による効率的自動潅水技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :1996〜2000年度
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