Navigation>>九州沖縄農業研究センター >> 研究成果情報 >> 平成13年度目次

オリエンタル系ユリ「カサブランカ」の4輪以上開花球根の養成法


[要約]
オリエンタル系ユリ「カサブランカ」の3月出し栽培において、切り花輪数を4輪以上確保するのに必要な球根重は、1芽球が90g以上、2芽球が130g以上である。90g以上の球根を養成するには、養成用の球根を11月上旬に露地定植するとよい。

[キーワード]
オリエンタル系ユリ、カサブランカ、球根養成、切り下球

[担当]
鹿児島農試・花き部

 [連絡先]0993-35-0210
 [区分]九州沖縄農業・野菜・花き
 [分類]技術・普及
  

[背景・ねらい]
「カサブランカ」は球根単価が高く、生産費に占める種苗費の比率が高い。そのため、露地で養成した切り下球や小球を切り花栽培に利用する事例が増えつつある。しかし、養成球のサイズと切り花輪数の関係が不明であり、生産が不安定である。そこで、切り花輪数を4輪以上確保するのに必要な球根養成技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 3月出し栽培で、切り花輪数を4輪以上確保するのに必要な球根重は、1芽球の場合90g以上、2芽球(定植時に1芽に調整)の場合は130g以上である(図1,図2)。

  2. 養成用球根の定植日は、掘り上げ時の球根の肥大を考えると11月下旬より11月上旬の方が望ましい(図3)。

  3. 11月上旬に定植する養成球の大きさは、5月掘り上げの場合50g以上、6、7月掘り上げの場合は20g以上必要である(図3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 球根養成を行うことで種苗費の軽減が可能になる。

  2. ウイルス病は汁液伝染するので、切り花栽培中の発症株ははさみやカマで採花せず抜き取って収穫する。

  3. ウイルス病はアブラムシで伝染するので、アブラムシの発生には十分注意する。また、球根養成中のウイルス発症株は抜き取り処分する。

[具体的データ]

図1 定植時の球根(1芽球)の大きさと開花時の平均輪数及び4輪以上の割合(H10)


図2 定植時の球根(2芽球を1芽球に調整)の大きさと開花時の平均輪数及び4輪以上の割合(H10)


図3 養成球の定植時球根重及び掘り上げ時期が収穫球の球根重に及ぼす影響(H12)

[その他]
研究課題名:オリエンタル系ユリの栽培技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :1998〜2000年度

目次へ戻る