Navigation>>九州沖縄農業研究センター >> 研究成果情報 >> 平成13年度目次

機械収穫に適したホウレンソウの品種と栽植様式


[要約]
機械収穫に適したホウレンソウ品種は、草姿が極めて立性の「アップライト」であり、株間4cmのとき損傷率が低くなり、青果用としての出荷が可能となる。また、機械収穫の作業時間は10a当たり20時間で、手収穫作業の約3分の1に短縮できる。

[キーワード]
ホウレンソウ、品種、機械収穫

[担当]
福岡農総試・野菜花き部・施設機械研究室、野菜栽培研究室

 [連絡先]092-922-4364
 [区分]九州沖縄農業・野菜・花き、農業機械・土木
 [分類]技術・参考
 

[背景・ねらい]
水稲点播直播と露地野菜の複合経営における水田の省力的高度利用技術を確立するため、新たに開発されたベルト挟持式の非結球性葉菜収穫機を用いて、水田作ホウレンソウの機械収穫に適する品種、栽植様式および収穫作業能率を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 「アップライト」は、慣行品種の「パンドラ」や立性品種の「サンクスト」、「シーバス」に比べて葉の開度が小さく、調製株重が重い(表1)。

  2. 機械収穫したホウレンソウの調製後損傷率は、草姿が最も立性であった株間4cm、条間20cmの「アップライト」で8.6%と最も低く、青果用として出荷が可能である(表2)。

  3. 機械収穫の10a当たり作業時間は20時間で、手収穫作業時間の約3分の1に短縮できる(表3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 「アップライト」は、秋まき冬だし露地栽培の品種として導入できる。

  2. 非結球性葉菜収穫機(自走式、1条用、エンジン式)の収穫方法は、土中で根部を切り取り、掘り取ったホウレンソウをベルトで挟んで搬送し、コンテナに収容する方式である。

  3. 供試した非結球性葉菜収穫機は民間企業の試作機で、市販化については未定である。

[具体的データ]

表1 ホウレンソウの品種、株間、形態、および収量性(2000年1月)


表2 機械収穫したホウレンソウの品種、栽植様式別の調製後損傷率(2001年1月)


表3 ホウレンソウの収穫作業能率(2001年1月)

[その他]
研究課題名:水稲点播と組み合わせた野菜の省力・軽作業化技術
予算区分 :助成試験(地域基幹)
研究期間 :1999〜2000年度

目次へ戻る