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プチヴェール株枯れ症(Phoma属菌)の太陽熱土壌消毒による耕種的防除


[要約]
プチヴェールのPhoma属菌による株枯れ症は、高温、多湿の条件が揃えば100%発症し、枯死に至らない株も生育不良となる。本圃での防除は、土壌消毒の効果が最も高く、耕種的土壌消毒法として、太陽熱処理が有効である。

[キーワード]
プチヴェール、Phoma属菌、株枯れ症、太陽熱土壌消毒

[担当]
佐賀県上場営農セ・研究部・畑作経営研究室

 [連絡先]0955-82-1930
 [区分]九州沖縄農業・野菜・花き
 [分類]技術・参考
  

[背景・ねらい]
プチヴェールは、ケールとメキャベツを交配した新野菜である。上場地域の農協で軽量野菜、健康野菜として推進している。しかし、連作を重ねるにつれ排水不良圃場において株枯れ症、生育不良株が増加してきた。軟腐病もあるが、主な病原菌は幼植物時の病害と認識していたPhoma属菌による株枯れ症であった。プチヴェールの生産安定のため本病の防除法を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. プチヴェール株枯れ症は、二次育苗苗でも高温、多湿の条件が揃えば100%発症する。また、枯死に至らない株も生育不良となり(図1図2)、大幅減収となる。

  2. 本病害防除は、地温上昇抑制対策を実施しても防除効果は不足し、クロールピクリンによる土壌消毒の効果が最も高く、1条・高畦は生育がやや劣る(図2図3)。

  3. 耕種的土壌消毒法として、太陽熱処理が有効である(図1図2)。

  4. 土壌の太陽熱処理は、高温期に作畦後、透明フイルムをベタ張りする作畦後太陽熱式(改良式太陽熱)で1ヶ月間実施する。(データ略)

  5. プチヴェールの株枯れ症は、他のキャベツ類と同じ病徴であり(キャベツは根朽病)、病原菌はPhoma属菌でキャベツ類に共通した病害であると思われる。(データ略)

[成果の活用面・留意点]
  1. 本試験は、玄武岩母岩の赤色細粒土壌の粘質土壌で実施した。

  2. プチヴェール株枯れ症は、展開葉5〜6枚の二次育苗した苗を使用しても、初期生育中でも発症する。排水不良の圃場では、必ず土壌消毒を実施する。

[具体的データ]

図1 生育前半のかん水点の違いと枯死、生育不良株の発生(2001.8.25)


図2 耕種的防除法の違いと枯死、生育不良株の発生(2000.8.25)


図3 土壌消毒法の違いと枯死、生育不良株の発生(2001.8.25)


図4 土壌消毒法の違いと初期生育(2001.9.26)

[その他]
研究課題名:新野菜「プチヴェール」の栽培技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2001年度

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