杉バーク培地の隔離床栽培における培地内水分の拡散促進
-
[要約]
-
杉バークを培地に使用した隔離床栽培で、培地表面に底面給水マットを敷き、点滴チューブにより少量多回数のかん水を行うことで、培地の広い範囲に水が行きわたる。
- [キーワード]
- 杉バーク、隔離床、かん水、底面給水マット、点滴チューブ
- [担当]
- 大分農技セ・野菜部
[連絡先]0978-37-1141
[区分]九州沖縄農業・野菜・花き
[分類]技術・参考
-
[背景・ねらい]
-
杉バークを培地に使用した隔離床栽培では、培地が一旦乾燥すると水みちができやすく、一度に多量のかん水をしても、培地内の水分分布が不均一になりやすい。そこで、点滴チューブと底面給水マットを使用し、培地内の水の拡散を促す均一なかん水技術(方法)を確立する。
-
[成果の内容・特徴]
-
-
点滴チューブは、単位時間当たりの吐出量が少なく、チューブ長20mでの給水口部と末端部の吐出量の差も5〜10%程度にとどまる(図1)。
-
底面給水マット(ポリエステル不織布)を培地の表面に敷いて点滴かん水を行うと、培地の広い範囲に水が拡散する(図2)。
-
杉バークを培地に使用した隔離床の設置状況は図3に示すとおり。
-
[成果の活用面・留意点]
-
-
一度に多量のかん水を行うと、水が底面給水マットの低い位置に集中し、培地に落ちる傾向があるため、1回当たりのかん水量は底面給水マットが水で飽和する程度にとどめる。
-
チューブ接地面の高低差によるかん水むらをなくすため、設置面の均平化に努めるか、排水弁を設置する、加圧停止時の漏れがない点滴チューブ(図1の点滴Dなど)を使用する、等の対策を取る。
-
[具体的データ]
-

図1 5分間加圧したときの吐出量の分布

図2 培地断面の水の広がり

図3 隔離床の設置状況
-
[その他]
-
研究課題名:軽量培地による高品質トマト栽培技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :1998〜2000年度
目次へ戻る