杉バーク培地を用いた高設栽培装置の利用技術
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[要約]
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杉バーク培地の高設栽培装置を利用したコマツナ栽培において、3作に1回の割合で70日タイプの肥効調節型肥料を窒素成分で5kg/a施用することにより、年間12作が可能で総収量は約3t/a得られる。
- [キーワード]
- コマツナ、杉バーク、高設栽培装置、肥効調節型肥料
- [担当]
- 大分農技セ・野菜部
[連絡先]0978-37-1141
[区分]九州沖縄農業・野菜・花き
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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葉菜類の土耕栽培では、年間を通して腰をかがめた姿勢での収穫作業等が強いられる。一方で、連作による土壌病害の発生も問題化している。そこで、杉バークを培地とした、簡易で安価な葉菜類栽培用高設栽培装置を開発した。そこで、この装置の効率的利用と栽培法を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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- 杉バークを培地とした高設栽培装置でコマツナを栽培する場合、3作に1回の割合で70日タイプの肥効調節型肥料を窒素成分で5kg/a施用すると、m2当たり2kg以上の収量が得られ、商品株重も重い(表1)。
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コマツナを注2)に示す耕種概要に沿って栽培すると、年12作が可能である(図1)。
- 1作のm2当たり収量は1〜4kgとなり、年間29.7kgの収量が得られる(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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冬作は温風暖房機のダクトをベット下に配置し、室温を摂氏10度に保つよう管理する。
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夏作はサイドを開放し防虫ネットを張り、天井部は30%遮光ネットでビニルの外側を覆う。
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杉バーク培地の使用可能期間については現在試験中(今回の試験では杉バーク培地を交換せずに1年間使用した)。
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[具体的データ]
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表1 コマツナの施肥量、収量、品質

図1 周年栽培におけるコマツナの栽培歴

表2 周年栽培におけるコマツナの収量、品質
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[その他]
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研究課題名:施設野菜の省力・装置化技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2000〜2002年度
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