バラの被覆肥料施用による隔離床栽培法
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[要約]
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ロックウールまたは杉皮を培地としたバラの隔離床において、数種の被覆肥料を組み合わせた施肥体系にすると、従来の養液栽培に比べ切り花品質が向上し、同程度の収量が得られる。
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- バラ、被覆肥料、隔離床、ロックウール、杉皮
- [担当]
- 大分温熱花研・研究指導部
[連絡先]0977-66-4706
[区分]九州沖縄農業・野菜花き
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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養液栽培は、単肥配合などの培養液調製や機器操作等の養液管理が煩雑であり、養液管理がしばしばトラブルを起こす要因となっている。そこで、被覆肥料を利用したバラの簡易な隔離床栽培法を確立する。
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[成果の内容・特徴]
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栽培する隔離床は、これまで使用しているものがそのまま利用できる。ロックウール培地は隔離床の全面にロックウールマットを敷き、杉皮培地は5L/株を目安に杉皮を投入する。基肥は植穴に、追肥はロックウール培地では中央部に表面施用、杉皮培地では中央部に表面施用または表層5cm程度に混入施用する。点滴チューブを用い、200〜500ml/株・日をかん水する(図1)。
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被覆肥料を組み合わせて施用すると、培地内ECは0.8〜1.9mSで、養液栽培に比べ低く推移するが、生育に差は認められない(図2)。
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採花本数は、被覆肥料施用の杉皮培地でやや少ないものの、養液栽培に比べ大差ない。切り花重は、被覆肥料を組み合わせた施肥体系にして以降重くなり、切り花品質の向上が認められる(表1)。
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[成果の活用面・留意点]
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この栽培は、ロックウール並びに杉皮培地の隔離床に適用できる。
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追肥時期は、培地内養分濃度と肥料の溶出率から決定する。
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リン酸資材、石灰・苦土質資材を定植時施用し、年1〜2回程度追肥時にも施用する。杉皮培地はpHが低下しやすいので、石灰質資材を多めに施用する。
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微量要素を含む肥料をできるだけ使用し、不足するときは微量要素を混入する。
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[具体的データ]
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図1 栽培法と施肥位置

図2 施肥時期と培地内ECの変化

表1 採花本数と切り花重の推移
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[その他]
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研究課題名:バラの新養液栽培システムの確立
予算区分 :県単
研究期間 :2000〜2002年度
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