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茶品種「さえみどり」の玉露適応性


[要約]
「さえみどり」は玉露栽培において、「やぶきた」より摘採期が2日早く、収量はやや少ないが製茶品質は外観、内質とも優れる。特に、色沢が鮮やかな緑色で優れ、旨味成分であるアミノ酸含有量が多いので、玉露用品種として適している。

[キーワード]
さえみどり、アミノ酸含有量、玉露用品種

[担当]
福岡農総試八女分場・茶研究室

 [連絡先]0943-42-0292
 [区分]九州沖縄農業・茶業
 [分類]技術・普及 

[背景・ねらい]
福岡県は全国一の玉露生産県であり、玉露の生産安定と品質向上には地域に適応した玉露用品種の選定が望まれている。茶品種育成の指定試験では、玉露用の品種は育成されていないため、煎茶用として育成された品種の中から玉露の適応性を検討し、福岡県の推奨品種に選定し普及を図る。

[成果の内容・特徴]
  1. 摘採時期は「やぶきた」より約2日早い(表1)。

  2. 被覆下における新芽の生育は「やぶきた」とほぼ同等である(データ略)。

  3. 生葉収量は「やぶきた」よりやや少ない(表1)。

  4. 製茶品質は「やぶきた」より外観、内質とも優れる。特に、色沢は冴えた緑色を呈し優れる(表2)。

  5. 化学成分は「やぶきた」に比べて、旨味成分であるアミノ酸含有量が多く、中でもテアニン含有量が多い。また、渋味成分であるカテキン含有量が少ない(表3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 推奨品種に選定するための資料とする。

  2. 葉質が「やぶきた」より柔らかいので蒸し過ぎにならないように注意する。

[具体的データ]

表1 収量及び収量構成要素


表2 玉露としての製茶品質


表3 荒茶の化学成分(%)

[その他]
研究課題名:優良品種の選定
予算区分 :県単
研究期間 :1998〜2000年度

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