無農薬茶園における害虫の発生と被害
-
[要約]
-
無農薬栽培茶園では、害虫の発生が多く、特に、チャノミドリヒメヨコバイは一番茶以降の発生密度が高くなり、二、三番茶の茶芽生育及び収量が低下する。
- [キーワード]
- 無農薬茶園、チャノミドリヒメヨコバイ、発生量、茶芽生育、収量
- [担当]
- 熊本県農業研究センター・茶業研究所
[連絡先]096-282-6851
[区分]九州沖縄農業・茶業
[分類]技術・参考
-
[背景・ねらい]
-
食の安全性を求める声が高くなっている今日にあっては、茶においても無農薬栽培に取り組む農家が増えつつある。無農薬栽培では、チャノミドリヒメヨコバイ等による被害が問題とされているが、複数の害虫が関与しているため詳細は不明である。そこで、慣行防除茶園と無農薬移行茶園との発生量と生育収量を比較し、これを明らかにする。
-
[成果の内容・特徴]
-
-
無農薬茶園おける害虫の年間発生量は、明らかに多くなる(表1、図1)。
-
チャノミドリヒメヨコバイの発生密度は、一番茶以降高くなり、年間発生量もに多い(図1)。
-
二・三番茶及び翌年一番茶の新芽長は明らかに短い(図2)。
-
二・三番茶及び翌年一番茶の収量は減収する(図3)。
-
クモの発生量は増加するが、チャノミドリヒメヨコバイの発生には大きな影響はない(表1、図1、図4)。
-
[成果の活用面・留意点]
-
-
所内茶園20aのうち3aを慣行防除から無農薬へ移行した3年間の調査結果である。
-
無農薬栽培において、チャノミドリヒメヨコバイが多発した場合の対応については、別途検討する必要がある。
-
[具体的データ]
-

表1 主要害虫の発生量(平成12年、()は11年)

図1 チャノミドリヒメヨコバイ半旬別発生消長

図2 移行1、2、3年目の新芽長(20cm枠摘み)

図3 移行2、3年目の生葉収量及び収量指数

図4 クモ類の年間発生頭数
-
[その他]
-
研究課題名:無農薬茶園における病害虫の被害解析
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2003年度
目次へ戻る