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チャのクワシロカイガラムシ抵抗性品種におけるクワシロカイガラムシの発育と増殖


[要約]
チャのクワシロカイガラムシ抵抗性品種では、本虫の幼虫生存率の低下、産卵数の減少並びに発育の遅延が認められる。

[キーワード]
チャ、クワシロカイガラムシ、抵抗性品種、発育、増殖

[担当]
宮崎総農試・茶業支場・育種科

 [連絡先]0983-27-0355
 [区分]九州沖縄農業・茶業
 [分類]科学・参考 

[背景・ねらい]
クワシロカイガラムシは、チャの難防除重要害虫であり、発生面積は全国的に拡大しつつある。このため、抵抗性品種の選抜に不可欠なクワシロカイガラムシ抵抗性検定法の早期確立が求められている。そこで、抵抗性および感受性品種におけるクワシロカイガラムシの発育と増殖について調査した。

[成果の内容・特徴]
  1. 抵抗性品種におけるクワシロカイガラムシ幼虫の発育期間は、感受性品種に比べて有意に長い(表1表2)。

  2. 抵抗性品種での総卵数(産卵数+蔵卵数)は感受性品種の5.4〜15.2%であり、有意に少ない(図1)。

  3. クワシロカイガラムシの雌幼虫生存率は、感受性品種に比べて有意に低い(図2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. クワシロカイガラムシ抵抗性品種育成上の基礎資料となる。

  2. 本データは、卵を用いて強制的に各品種に寄生させた場合の試験結果である。

  3. 本試験は室内試験であり、圃場条件で再評価する必要がある。

[具体的データ]

表1 チャ4品種におけるクワシロカイガラムシ雄の発育期間(摂氏25.5度,14L10D)


表2 チャ4品種におけるクワシロカイガラムシ雌の発育期間(摂氏25.5度,14L10D)


図1 クワシロカイガラムシ雌成虫の産卵数と蔵卵数


図2 チャ6品種におけるクワシロカイガラムシ雌幼虫の生存率の推移

[その他]
研究課題名:病害虫抵抗性検定法の確立
予算区分 :指定試験
研究期間 :1998〜2001年

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