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牛ふん堆肥に含まれる窒素のチャ新芽への分配量


[要約]
秋肥として施用した牛ふん堆肥に含まれる窒素は、施用後3年間に施用量の7%程度が新芽に分配され、硫安の50〜60%である。

[キーワード]
チャ、牛ふん堆肥、窒素分配量

[担当]
鹿児島茶試・環境研究室

 [連絡先]0993-83-2811
 [区分]九州沖縄農業・茶業
 [分類]科学・参考 

[背景・ねらい]
環境保全型農業を進めていく中で、家畜ふん堆肥の有効利用が求められている。しかし、有機物に由来する窒素の茶樹による吸収、利用に関する知見は極めて少なく、有機物を利用した環境への負荷の少ない施肥体系を確立する上で重要である。そこで、重窒素標識牛ふん堆肥を用いて、茶栽培における有機物由来窒素の新芽への分配状況を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 秋肥として施用した牛ふん堆肥に含まれる窒素は、翌年では新芽に施用量の約3%が分配され、硫安の約30%に相当する(表3)。

  2. 牛ふん堆肥施用後2、3年目では、それぞれ施用量の約3%、1%が新芽へ分配され、硫安に比べて残効が長い(表3)。

  3. 施用後3年間における牛ふん堆肥由来窒素の新芽への分配量は7%程度で,硫安由来窒素の50〜60%と少ない(表3)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 本成果は、ライシメーター試験の結果である。

  2. 表1の施肥体系により、1998年の秋肥に重窒素標識牛ふん堆肥(3.45atm%)及び重窒素標識硫安(3.04atm%)を窒素として2.7g/m2施用し、標識窒素の新芽への分配状況を3年間調査した結果である。
  3. 供試した標識牛ふん堆肥の成分は表2のとおりである。

  4. 有機物の適正施用基準作成の基礎資料となる。

[具体的データ]

表1 各施肥時期における施肥窒素量


表2 重窒素標識牛ふん堆肥の成分


表3 施肥窒素の施用量に対する新芽への分配割合

[その他]
研究課題名:有機物に由来する窒素の茶樹による吸収、利用の解明
予算区分 :委託(日本農業研究所)
研究期間 :1998〜2001年度

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