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弱毒ウイルスによるキュウリのズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)防除


[要約]
ZYMV弱毒株(ZY-95)は接種による生育および収量・品質への影響もなく強毒ZYMVに対する干渉効果が高く、ZYMV防除対策として実用性が高い。

[キーワード]
キュウリ、ZYMV、弱毒ウイルス

[担当]
宮崎総農試・病理科

 [連絡先]0985-73-2124
 [区分]九州沖縄農業・病害虫
 [分類]技術・参考

[背景・ねらい]
ZYMVなどのウイルスによる萎凋やモザイク症状が例年露地やハウス抑制キュウリで発生し、問題になっている。そこで、その対策として弱毒ZYMVに着目し、その実用性を検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 弱毒ZYMV(ZY-95)は露地抑制キュウリ南極1号(台木ヒカリパワー)への接種による生育抑制はみられない(表1)。

  2. 弱毒ZYMV(ZY-95)の強毒ZYMVに対する干渉効果は高く、モザイク株率、感染株率とも無接種区と比較して非常に低く、萎凋は全くみられない(表2,表3)。

  3. 弱毒ZYMV(ZY-95)の接種による収量・品質の低下は見られず、無接種区で栽培後期にモザイク果が増加しても、モザイク果はほとんど見られない(表4,表5)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 今回の試験はCMV,WMV2、PRSV-Wの自然感染のない条件下での試験であったが、重複感染が多い条件下での検討も必要であると思われる。

  2. ZY-95はZYMV弱毒株2S142a6(沖縄株)を京都府農業総合研究所でさらに改良選抜したものである。

[具体的データ]

表1 初期生育の状況(定植1ヶ月後)(平12年)


表2 モザイク症状及び萎凋株の発生推移(平12年)


表3 ZYMV強毒の感染株率(%)(平12年)


表4 収量およびA品率の推移(平12年)


表5 モザイク果率(%)の推移(平12年)

[その他]
研究課題名露地野菜等及び茶を主体とする新農業技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2002年度

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