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チャバネアオカメムシの天敵マルボシヒラタヤドリバエの産卵数と寿命


[要約]
チャバネアオカメムシの成虫に寄生するマルボシヒラタヤドリバエの総産卵数は約81卵である。産卵は羽化翌日から始まり12日目までの日当たり産卵数は約8卵で、その後は減少する。雌成虫の寿命は約13日である。

[キーワード]
チャバネアオカメムシ、寄生性天敵、寄生蠅、産卵数、寿命

[担当]
福岡農総試・病害虫部・果樹病害虫研究室

 [連絡先]092-924-2938
 [区分]九州沖縄農業・病害虫
 [分類]科学・参考

[背景・ねらい]
果樹を加害するチャバネアオカメムシの成虫に寄生するマルボシヒラタヤドリバエ(旧名、マルボシハナバエ)の天敵としての有効性を評価するため、成虫の寿命と産卵数を明らかにし、本種を利用したカメムシ防除法の開発を目指した基礎的な資料を得る。

[成果の内容・特徴]
  1. マルボシヒラタヤドリバエ雌成虫は羽化直後に交尾し、羽化翌日から死亡前日まで産卵を続ける(図1)。

  2. 本種の総産卵数は約81卵で、羽化後12日目までは日当たり約8卵、それ以降は約4卵を産下する(図1表1)。

  3. 未交尾雌は寄主を与えると産卵するが、産下卵はふ化しない(表1)。

  4. 交尾および産卵の有無にかかわらず雌成虫の寿命は約13日である(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. マルボシヒラタヤドリバエの天敵としての有効性を評価する指標として活用できる。

  2. 室内飼育体系構築の基礎資料として活用できる。

[具体的データ]

図1 マルボシヒラタヤドリバエ雌成虫の産卵消長と生存曲線


表1 マルボシヒラタヤドリバエの産卵数、寿命に及ぼす経産、交尾の影響

[その他]
研究課題名:天敵昆虫類の特性評価と利用技術
予算区分 :国庫(指定試験)
研究期間 :1999〜2000年度

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