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Tomato yellow leaf curl virusの自然感染が確認された植物


[要約]
TYLCVは、ウシハコベとエノキグサの他に、ハコベ、タカサブロウ、ノゲシ、ノボロギク、センナリホウズキおよびホソバツルノゲイトウに自然感染する。また、ノゲシの他に、ベニバナボロギクとシソ科2種に虫媒接種で感染する。

[キーワード]
トマト、黄化葉巻病、TYLCV、感染植物

[担当]
熊本農研セ・農園研・病虫部、長崎総林農試・環境部・病害虫科

 [連絡先]096-248-6445、0957-26-3330
 [区分]九州沖縄農業・病害虫
 [分類]科学・参考

[背景・ねらい]
トマト黄化葉巻病は1996年に日本での発生が確認された新ウイルス病である。病原ウイルスであるTomato yellow leaf curl virus(TYLCV)はシルバーリーフコナジラミによって媒介される。TYLCVに感染したトマトは生長点が黄化、萎縮して生長が止まり、着花や着果が抑制されるため、長期間栽培を行う促成栽培で大きな被害を与えている。本病の防除上、ハウス周辺における伝染源の除去は重要であるが、自然感染植物に関する知見は少なく、これまでに雑草ではウシハコベとエノキグサに自然感染し(大貫ら、2001)、ノゲシに虫媒接種で感染する(善ら、2001)ことが明らかになっているだけである。そこで、さらに本病発生ハウス内およびその周辺に自生する植物を採集し、TYLCV感染の有無を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
  1. TYLCVは、トマト黄化葉巻病発生ハウス内あるいはその周辺に自生するウシハコベ(Stellaria aquaticaナデシコ科)、エノキグサ(Acalypha australisエノキグサ科)の他に、ノゲシ(Sonchus oleraceusキク科)、ハコベ(Stellaria mediaナデシコ科)、タカサブロウ(Eclipta prostaraキク科)、ノボロギク(Senecio vulgarisキク科)、センナリホウズキ(Physalis augulataナス科)およびホソバツルノゲイトウ(Alternanthera nodifloraヒユ科)に自然感染する(表1)。
  2. TYLCV(TYLCV-Ng)は、虫媒接種でノゲシの他に、ベニバナボロギク(Crassocephalum crepidioidesキク科)およびシソ科2種に感染する(表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 自然感染が確認されたこれら雑草からトマトへの感染は未確認であるが、伝染源となる可能性があるので、ハウス内やその周辺にある場合は除去する。

[具体的データ]

表1 トマト黄化葉巻病発生ハウス内および周辺におけるTYLCVの自然感染植物


表2 虫媒接種試験におけるTYLCV1)感染植物

[その他]
研究課題名:トマト黄化葉巻病の病原ウイルス及び媒介虫シルバーリーフコナジラミの生体解明に基づく環境保全型防除技術の解明
予算区分 :国庫補助(地域新技術)
研究期間 :2001〜2003年度

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