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耕起・作畝作業における細土用ロータリの砕土率と作業能率


[要約]
水稲収穫後の水田において、細土用ロータリを用いて耕起・作畝する場合、1回作業では走行速度0.11m/sで、普通ロータリによる1回耕起後の2回作業では0.44m/sで慣行作業体系に比べ同等以上の砕土率が得られ、作業能率が向上する。

[キーワード]
細土用ロータリ、作畝、走行速度、砕土率、作業能率

[担当]
福岡農総試・野菜花き部・施設機械研究室

[連絡先]092-922-4364 [区分]九州沖縄農業・農業機械・土木 [分類]技術・参考


[背景・ねらい]
本県の露地野菜では、耕起・作畝から移植、管理作業について機械化体系が確立されつつあり、作業時間の大幅な短縮と、水稲と組み合わせた輪作体系による水田の有効利用が図られている。しかし、水稲収穫後の耕起・作畝作業においては、土壌の砕土性が野菜移植機の移植精度に大きく影響すること、天候により作業期間が制限されるため他作業との労働競合が発生することなどから、更なる砕土性と作業能率の向上が必要である。そこで、水稲収穫後の水田における細土用ロータリの砕土性と作業能率について明らかにし、露地野菜の機械化体系確立の資料とする。

[成果の内容・特徴]
  1. 水稲収穫後の水田において、細土用ロータリを用いて1回で耕起・作畝する場合(1回作業)、走行速度は0.11m/sで慣行作業体系以上の砕土率が得られ、作業能率が55%向上する(図1表1)。

  2. 水稲収穫後の水田において、普通ロータリによる1回耕起後に細土用ロータリを用いて耕起・作畝する場合(2回作業)、走行速度は0.44m/Sで作畝が可能であり、慣行作業体系と同等の砕土率が得られ、作業能率が26%向上する。また、PTO速度(ロータリ回転速度)が砕土率に及ぼす影響は少ない(図1表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 砕土率は、土性および土壌水分により変動する。

  2. 細土用ロータリの耕深は、畝整形板への土壌の寄り具合およびトラクタへの負荷などを考慮し調整する必要がある。

[具体的データ]

図1 走行速度と砕土率(平成12年)


表1 作業体系と理論作業量(平成12年)

[その他]
研究課題名:水稲点播直播と露地野菜の省力的水田高度輪作体系
予算区分 :助成試験(地域基幹)
研究期間 :1999〜2000年度

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