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水稲「あきさやか」の安定生産、品質・食味向上のための窒素施用法


[要約]
水稲「あきさやか」の10a当たり基肥窒素施用量は、同じ熟期の基準より2s減らし5sとする。穂肥の施用は、出穂前18日頃に3s、出穂前10日頃に2sとする。

[キーワード]
水稲、あきさやか、基肥、穂肥、収量、検査等級、食味

[担当]
福岡農試・筑後分場・水田高度利用研究室

[連絡先]電話0944-32-1029	
[区分]九州沖縄農業・水田作	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
「あきさやか」は晩生、良食味の新品種で、筑後平坦地での普及が期待されている。「あきさやか」の普及を円滑に行うために、品質・食味を向上させ、安定収量が得られる施肥法を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 「あきさやか」は「レイホウ」に比較して、穂数と1穂籾数(データ略)が多いために、[m&st;sup>2]当たり籾数が多い(表1)。

  2. 「あきさやか」の10a当たり基肥窒素施用量は、「レイホウ」より2s減らし、5sとする。基肥窒素施用量を減らすと籾数が減少するため、登熟歩合が高まり千粒重が重くなり収量はほぼ同等で、検査等級と食味が向上する(図1表1)。また、葉いもちの発生程度もやや低減できる(表1)。

  3. 「あきさやか」の10a当たり穂肥窒素施用量は、第1回目が3s、第2回目が2s、施用時期は第1回目が出穂期前18日頃、第2回目は出穂前11日頃とする。穂肥の早期施用、穂肥窒素施用量の削減および第2回目穂肥の省略は、玄米タンパク質含有率がやや低下するものの食味は向上せず、千粒重が低下し収量が低下する(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 「あきさやか」の品質・食味向上、安定生産のための資料として活用する。

  2. 晩生種で成熟期が遅いので、早期落水しないよう留意する。落水時期は成熟期前7日頃とする。

[具体的データ]

表1 施肥法と生育、収量、品質および食味(1999〜2001年)


図1 基肥量別の籾数、食味、検査等級および収量

[その他]
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2001年度