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沖縄本島北部地域における「ひとめぼれ」の良食味安定栽培法


[要約]
沖縄本島北部地域の1期作における「ひとめぼれ」の施肥法は分施の場合、穂肥の多量施用は食味低下を招くことから避ける。肥効調節型肥料による全量基肥施用は30〜50日タイプ(緩効率50〜60%)が適している。なお、食味からみた収穫適期は出穂期から30日後である。

[キーワード]
ひとめぼれ、肥効調節型肥料、穂肥、収穫適期

[担当]
沖縄県農試・名護支場・水田作研究室

[連絡先]電話0980-52-2811	
[区分]九州沖縄農業・水田作	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
「ひとめぼれ」の長所である良食味性を維持向上するため、食味に及ぼす施肥の影響を

把握するとともに「ひとめぼれ」の生育に好適な肥効調節型肥料の選定を試みる。また

収穫時期と食味の関係も明らかにし「ひとめぼれ」の低コスト安定生産技術の確立に資

する。

[成果の内容・特徴]
  1. 慣行肥料(塩加燐安1号)を用いた分施法と食味の関係は、標準区の施肥量を基肥-分げつ肥-穂肥が4-4-2(N成分Kg/10a、栽培基準)とした場合、減肥区と前期重点区および2倍量区では標準区と比較して食味の低下はなく、穂肥を多投入する後期重点区は食味が低下する(図1)。

  2. 肥効調節型は供試したいづれの肥料も慣行の速効性肥料より多収となり、緩効率が高く、溶出期間の比較的長い(70日〜100日タイプ)ものは食味が低下するのも見られた(図2)。「ひとめぼれ」に好適な肥効調節型肥料は30日〜50日タイプである。

  3. 「ひとめぼれ」の収穫時期別食味官能調査では、外観、粘り、総合評価の各項目ともに出穂期から30日後の収穫が最も良く(図3)、積算気温は平成11年が摂氏793.5度、平成12年は摂氏814.5度である。

[成果の活用面・留意点]
  1. 沖縄本島北部地域の1期作に適用できる。

[具体的データ]

図1 施肥法と食味の関係


図2 肥効調節型肥料の収量と食味


図3 収穫時期と食味の関係

[その他]
研究課題名:良食味品種「ひとめぼれ」の安定生産技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2001年度