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日印交雑種における米のアミロース含有率に関与するDNAマーカーの選定


[要約]
「あそみのり」と「IR24」の日印交雑系統における米のアミロース含有率に関与する量的遺伝子座(QTL)は、染色体5の中央付近に存在し、DNAマーカーはR2289である。

[キーワード]
アミロース含有率、DNAマーカー、米、QTL、日印交雑種

[担当]
福岡農総試・農産研究所・栽培部・作物品種研究室、九州大学大学院農学研究院・植物育種学研究室

[連絡先]電話092-924-2848	
[区分]九州沖縄農業・水田作	
[分類]科学・参考	

[背景・ねらい]
米のアミロース含有率の量的遺伝子座(QTL)は、「あそみのり」と「IR24」の日印交雑による組換え自殖系統群を用いて染色体5の中央付近に存在することを推定した。この情報をもとに、DNAマーカー利用による新しい水稲良食味品種を育成するための効率的選抜技術を開発するため、九州大学で開発した「あそみのり」と「IR24」の染色体部分置換系統を用いて、アミロース含有率に関与するQTLの存在を明らかにし、DNAマーカーを選定する。

[成果の内容・特徴]
  1. 「あそみのり」と「IR24」の日印交雑系統における米のアミロース含有率に関与する量的遺伝子座(QTL)は染色体5の中央付近に存在し、そのQTLに最も近いDNAマーカーはR2289である。

  2. 遺伝的背景が「あそみのり」(アミロース低い)でDNAマーカ-R2289近傍の遺伝子型が「IR24」型の染色体部分置換系統AIS34、37、38、42の4系統(図1)のアミロース含有率は「あそみのり」に比べて高い(表1)。

  3. 遺伝的背景が「IR24」(アミロース高い)で染色体5のR2289近傍の遺伝子型が「あそみのり」型の染色体部分置換系統IAS19、27、28、29の4系統(図1)のアミロース含有率は、「IR24」に比べて低い(表1)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 現在取り組んでいる日日交雑系統による米の食味の遺伝解析のための比較解析モデルとして活用する。

[具体的データ]

表1 両親と染色体部分置換系統のアミロース含有率


図1 染色体部分置換系統の遺伝子型

[その他]
研究課題名:DNAマーカー利用による効率的育種技術の開発
予算区分 :県特
研究期間 :2001年