水稲の穂発芽性検定における判定精度向上のための新たな判別品種
- [要約]
- 水稲の穂発芽性検定における熟期群ごとの判定精度向上のため、既存判別品種の見直しを行うとともに、新たに5品種を選定した。
- [キーワード]
- 水稲、穂発芽性検定、判別品種
- [担当]
- 大分農技セ・久住試験地
[連絡先]電話0974-76-0033
[区分]九州沖縄農業・水田作
[分類]科学・参考
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[背景・ねらい]
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水稲の品種特性の一つである穂発芽性は、玄米の外観品質や食味に直接影響を及ぼす。そのため、育種や奨励品種選定において重要な調査項目である。1997年に作期および熟期別に判別品種を選定し研究成果情報として公表したが、一部の作期および熟期で判別品種が選定されていなかったことと判別品種数が延べ30品種と多いことが問題となっていた。また、判別品種によっては年次間変動が大きく判定に支障をきたしていた。そこで、判別品種の見直しを行い判定精度の向上に資する。
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[成果の内容・特徴]
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既存の判別品種および新たな判別品種候補の比較検討を行い、同一熟期・同一ランクの判別品種は、年次間変動の少ない1品種のみとした(図1、図2)。
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普通期栽培の早生の早群の“やや難”の判別品種として用いてきた「ミネアサヒ」を“中”の判別品種に変更する。
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早期栽培及び普通期栽培の極早生の早群の“中”の判別品種として「まいひめ」を、“易”の判別品種として「いでゆもち」(普通期のみ)を用いる。
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早期栽培及び普通期栽培の極早生群の“中”の判別品種として「はえぬき」を用いる。
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普通期栽培の早生の早群の“易”の判別品種として「峰光」を用いる。
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普通期栽培の早生群の“難”の判別品種として「あきげしき」を用いる。
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以上を踏まえて、新たな判別品種を表1のとおりに定めた。
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[成果の活用面・留意点]
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暖地においてより判定精度の高い穂発芽性検定が可能となる。
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検定穂の採取時期、採取時の気象条件により発芽率が変動するため、同一熟期のものは同時に採取し検定を行う。
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[具体的データ]
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図1 1999年〜2002年の発芽率(低標高地水田利用部)

図2 1999年〜2002年の発芽率(高標高地久住試験地)

表1 作期および熟期別穂発芽性検定判別品種一覧
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[その他]
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研究課題名:水稲の穂発芽性検定における新たな判別品種の選定
予算区分 :県単
研究期間 :1999〜2002年度