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間作バレイショを自走式ポテトハーベスタで収穫するためのサトウキビ(夏植+春植補充)栽培法


[要約]
間作バレイショを自走式ポテトハーベスタで収穫するために、夏植サトウキビの畦間を240[cm]に広げて間作栽培を行う。間作バレイショを収穫した跡にサトウキビを春植することで、サトウキビの収量を補え、特に株出栽培では増収効果が高い。

[キーワード]
間作栽培、サトウキビ、バレイショ、自走式ポテトハーベスタ

[担当]
鹿児島農試徳之島支場・作物研究室、野菜花き研究室

[連絡先]電話0997-86-2004	
[区分]九州沖縄農業・畑作	
[分類]技術・普及	

[背景・ねらい]
サトウキビは奄美地域農業の基幹作物である。また、バレイショもサトウキビに次ぐ基幹品目である。奄美地域では、夏植サトウキビにバレイショの間作栽培が行われているが、標準的な夏植サトウキビの栽植様式では間作バレイショの収穫作業が重労働となっている。このため、機械化により間作バレイショの収穫作業を軽労化でき、大面積の間作栽培が可能な栽培技術の確立が必要である。

[成果の内容・特徴]
  1. 間作バレイショに自走式ポテトハーベスタを利用して収穫するために、夏植サトウキビの畦間を240[cm](鹿児島県の標準畦間120pの2倍)とする。(図1

  2. サトウキビの収量を確保するために、バレイショを収穫した跡に補充の春植を行い、最終的に全体を120[cm]畦間にする。(図1

  3. バレイショ収穫跡に補充の春植をすると、春植しない場合に比べ、新植時のサトウキビの収量が8%増加する。(表1

  4. 次年度作の株出栽培においては、前作で補充の春植をしたことにより、春植しなかった場合に比べサトウキビの収量が32%増加する。(表2

[成果の活用面・留意点]
  1. 夏植サトウキビに間作バレイショを組み合わせると、夏植サトウキビ単作では得られない1年目の収益がバレイショで得られる。

  2. 間作のため、バレイショの連作が回避され、バレイショの生産が安定する。

  3. 自走式ポテトハーベスタは南西諸島の重粘土壌に対応した機械である。(九州農業研究成果情報第17号「重粘土壌に適応する自走式バレイショ収穫機」参照)

  4. 本間作栽培法における、夏植サトウキビの植付時期は9月下旬、バレイショの植付時期は11月である。

[具体的データ]

図1 サトウキビ及び間作バレイショの栽培方法


表1 夏植新植栽培における補充春植の増収効果


表2 株出栽培のおける収量

[その他]
研究課題名:機械化を前提としたサトウキビ及び間作園芸作物の栽培技術の確立
予算区分 :助成試験(地域基幹)
研究期間 :1998〜2002年度