出芽・苗立ちが安定する大豆の3粒点播法
- [要約]
- 大豆の点播播種法は、播種後の降雨により土膜が形成された場合でも、1穴播種粒数が3粒以上では苗立株率は安定して高い。苗立株率、耐倒伏性からみて1穴播種粒数は3粒、点播の形状は長径3〜5cmが適する。
- [キーワード]
- 大豆、点播の形状、点播播種法、苗立株率、1穴播種粒数
- [担当]
- 福岡県農総試・豊前分場・普通作物野菜研究室
[連絡先]電話0930-23-0163
[区分]九州沖縄農業・畑作
[分類]技術・参考
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[背景・ねらい]
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大豆播種後の降雨による土膜の形成により、出芽・苗立ちが阻害され、これが大豆栽培の不安定要因の1つとなっている。1か所に数粒づつ播種する点播播種法は、土壌を押し上げる力が大きくなるため、出芽・苗立ちの安定化が期待できる。そこで、点播播種において、1穴播種粒数や点播の形状が苗立株率や生育・収量に及ぼす影響を明らかにする。
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[成果の内容・特徴]
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降雨により土膜が形成された場合、1穴播種粒数が3粒以上で苗立株率が安定して高い(図1)。
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点播の形状は、1穴3粒播で短径3cmの場合、長径3〜5cmで苗立株率が高い(図2)。
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m2当たり苗立数が同じであれば、1穴苗立数3本と2本では、主茎長の差が小さく、倒伏程度や収量も同等である。1穴苗立数を3本から5本へ多くすると、主茎長が長くなり、倒伏程度がやや大きくなり、増収効果はみられない(表1)。
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[成果の活用面・留意点]
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目皿式の播種機について適用できる。
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[具体的データ]
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図1 1穴播種粒数と苗立株率との関係

図2 播種穴の長径と苗立株率との関係

表1 点播栽培での1穴苗立数や株間が異なる場合の収量性と品質(7月8〜10日播)
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[その他]
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研究課題名:麦跡大豆の新しい全天候型播種技術と安定多収のための栽培管理技術
予算区分 :助成試験(地域基幹)
研究期間 :1999〜2002年度