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登熟期の遮光条件下における大豆「サチユタカ」の生育、収量及び品質


[要約]
7月上旬播の「サチユタカ」では、「フクユタカ」に比べて登熟期の遮光処理による成熟期の遅延や収量低下の程度が小さい。また、遮光条件下で開花期に窒素追肥を施すと、減収防止効果が認められる。

[キーワード]
大豆、サチユタカ、遮光、収量、開花期追肥

[担当]
福岡農総試・農産研究所・栽培部・作物品種研究室

[連絡先]電話092-924-2848	
[区分]九州沖縄農業・畑作	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
大豆生産における登熟期の日照不足は、収量や品質に大きく影響を及ぼし、作柄が不安定となる。このような寡照年においても、安定した収量と高品質な大豆を生産するための基礎的知見を得る目的で、有望早生大豆品種「サチユタカ」について、登熟期(開花〜成熟期)における遮光処理が生育、収量および品質に与える影響を明らかにしようとした。

[成果の内容・特徴]
  1. 登熟期の遮光処理において、成熟期は「フクユタカ」では3日程度遅延するが、「サチユタカ」では遅延しない。倒伏はいずれの品種でも助長されない(表1)。

  2. 遮光により、整粒数が減少し収量は低下するが、「サチユタカ」は「フクユタカ」より収量の低下程度が小さい。外観品質には差が認められないが、タンパク質含有率は高くなる(表2)。

  3. 遮光処理をした「サチユタカ」に開花期追肥を施すと、稔実莢数および整粒数の減少程度が小さくなり、減収の防止効果が認められる(表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 早生の大豆品種として、奨励品種に採用するための参考資料とする。

  2. 登熟期の寡照において減収を防止するための栽培管理技術を確立する際に参考となる。

[具体的データ]

表1 遮光条件下におけるサチユタカの生育(2000〜2002年の平均)


表2 遮光条件下におけるサチユタカの収量および品質(2000〜2002年の平均)

[その他]
研究課題名:新たな米生産調整拡大に対応した水田転作大豆の高生産技術1)機械化作業体型に適した安定多収のための管理技術
予算区分 :国庫(地域基幹)
研究期間 :1999〜2002年度