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[連絡先]電話096-248-6433 [区分]九州沖縄農業・畜産草地 [分類]技術・普及
1)センチピードグラスやカーペットグラスは、在来(育成)ノシバに比べて広がりが速く、早期造成が容易である(図1)。また、センチピードグラスは、移植法に比べ播種法による造成が容易である(図1)。
2)センチピードグラスやカーペットグラスは、在来(育成)ノシバに比べて乾物消化率が高い(図2)。また、各草種とも5〜6月の乾物消化率が高く、それ以降は低下する傾向にある(図2)。
3)乾物収量はアケミドリ、可消化収量はセンチピードグラス(播種)が最も高い(図3)。
1)センチピードグラス等は種子が小さく(表1)、吹付けによって均一播種が可能となる。
2)センチピードグラス種子(3kg/10a)を用いて、吹付け法によって法面を草地造成した結果、1ヵ月後から急速に広がり始め、約130日で60%の被度となった(写真1、図4)。
3)吹付け法における機材コストは289,853円である。また、10アール当たり、資材コスト(25,358円)の約93%は種子代であり、作業時間は30分(3人)である(表2)。
1)センチピードグラス等は播種とし(適期:5月、播種量:2〜5kg、平均3kg/10a)、栄養茎繁殖の在来(育成)ノシバは移植とする(適期:6月、株数:4,000〜10,000株/10a、3〜4茎/株)。
2)施肥は10a当たり、基肥として炭酸苦土石灰50〜100kg、窒素・リン酸、カリ各5kg程度、追肥として窒素・カリ各4kg程度を施用する(年1回、退牧時)。
3)シバ型草種は初期生育が遅く、雑草と競合するため、除草対策(掃除刈り、除草剤、強放牧)とともに、雑草繁茂時の施肥を抑制することが重要である。
4)センチピードグラスはカーペットグラスに比べ種子価格が高いことに留意する。
1)法面の他、傾斜地や岩石の多い平坦地等条件不利地にも有効である。
2)より良好な定着を確保するため、雑草や夾雑物の除去を入念に行う。
3)施肥は追肥を原則として、窒素・リン酸、カリ各5kg程度を年1回、退牧時等に施用する。
4)発芽後生育が遅いため、放牧牛による蹄傷が懸念されるときは、電牧等で保護する。
図2 シバ型草種の乾物消化率(酵素法)の推移
写真1 草地法面への吹付け作業
図3 シバ型草種の年間収量(3年間平均)
図4 法面への吹付け造成後の被度の推移
表1 千粒重(g)
表2 吹付け法による造成コスト及び作業時間
研究課題名:平地及び中間農業地域における牧草地の造成と有効利用技術 予算区分 :県単 研究期間 :1999〜2004年度