TMRとロールベールサイレージの同時給与技術
- [要約]
- フリーストール方式においてイタリアンライグラスロールベールサイレージをTMRに混合せずに泌乳後期牛に給与する場合、飼槽内でTMRと同時給与するほうが草架などで別に給与(分別給与)するよりも、ロールベールサイレージの採食量が増加する。
- [キーワード]
- フリーストール、ロールベールサイレージ、TMR、泌乳後期牛、採食量
- [担当]
- 福岡畜研・大家畜部・乳牛研究室
[連絡先]電話092-925-5232
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(乳牛)
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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現在、本県で広く普及しているロールベールサイレージは、粗飼料を細断せずにラッピングしてサイレージ調製する省力的自給粗飼料調製技術であるが、TMR(混合飼料)に混合するためには、高価な専用機械による細断が必要であり作業も煩雑となる。このため、フリーストール農家においては、泌乳牛用のTMRには利用されず、育成牛への草架台による不断給与により利用されることが多い。しかし、草架台での給与は、採食時の食べこぼし、地面への落下、草架台中心部における変敗等による無駄が多く、その廃棄量は約20〜30%にも上ると報告されている。そこで、フリーストール農家における自給飼料の低コスト有効利用を図る目的で、ロールベールサイレージの細断やTMRへの混合をせずに、泌乳牛に給与する技術を検討する。
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[成果の内容・特徴]
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ロールベールサイレージをTMRに混合せずに泌乳後期牛に給与する場合、飼槽内でTMRと同時給与するほうが別の飼槽で給与(分別給与)するよりも、ロールベールサイレージの採食量が増加する(表1)。
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ロールベールサイレージを同時給与してもTMR混合と比べて、泌乳後期牛における乳量・乳成分は変わらない(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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フリーストール方式においてロールベールサイレージを泌乳牛に給与する際に活用できる。
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TMRの栄養濃度および給与量は、乳量に応じて調整する必要がある。
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[具体的データ]
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図1 同時給与区における採食状況(平成13年)

表1 飼料摂取量(平成13年)

表2 乳量・乳成分等(平成13年)
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[その他]
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研究課題名:群管理における飼料調製・給与技術
予算区分 :県単
研究期間 :2001年度