乳用種および交雑種去勢肥育牛における牛体各部測定値からの体重推定式
- [要約]
- 乳用種および交雑種去勢肥育牛において、胸囲、寛幅、腹囲、体長、胸幅からの重回帰式および胸囲、腹囲、体長からの直線回帰式により、体重の推定が可能である。
- [キーワード]
- 乳用種去勢牛、交雑種去勢牛、体測値、体重
- [担当]
- 福岡農総試・畜研・大家畜部・肉用牛研究室
[連絡先]電話092-925-5232
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(肉用牛)
[分類]技術・普及
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[背景・ねらい]
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肉用牛生産現場においては体重測定作業の実施が困難であるため、簡易な体重推定技術が求められている。肥育牛の体各部測定値(体測値)からの体重推定は、黒毛和種、乳用種(ホルスタイン種)についての報告があるが、交雑種については報告がない。そこで、当場における過去の乳用種および交雑種(黒毛和種×ホルスタイン種)去勢牛の肥育試験データ解析により、現場でも測定が可能な体測値からの体重推定法を確立する。
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[成果の内容・特徴]
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肥育牛の体重を目的変数、8部位の体測値を説明変数とする重回帰分析結果より、体測値の重要度は胸囲、腹囲、寛幅、体長、胸幅の順に高く、体高、胸深、腰角幅については有意性がない(表1)。
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説明変数の重要度が高く生産現場で測定が可能と考えられる胸囲、腹囲、体長から体重を推定するための直線回帰式は、表2のとおりである。
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乳用種および交雑種のデータを一括して回帰分析しても、品種毎に分析した場合とほぼ同様の高い決定係数が得られるため、乳用種および交雑種を一括した回帰式により体測値から体重の推定が可能である(表3)。
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[成果の活用面・留意点]
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肥育牛生産現場において、牛体測定値から体重を推定する指標として利用できる。
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推定式の適用範囲は、乳用種:6〜22ヵ月齢、交雑種:6〜26ヵ月齢である。
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[具体的データ]
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表1 体重を目的変数とする肥育牛体測値の重回帰分析結果

表2 肥育牛各体測値からの体重推定式(直線回帰)

表3 品種毎および2品種一括で回帰分析した場合の決定係数
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[その他]
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研究課題名:1994年〜2002年の福岡県農総試における肥育試験データを利用
予算区分 :県単
研究期間 :2002年度